Mr.Big - Photographic Smile

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Mr.Big - Photographic Smile (1977)
フォトグラフィック・スマイル

 掴みどころの無いままにヒット曲を放ってしまい、歴史に残るバンドになっている。それでも既に忘却の彼方にあり、いつしかバンド名すら識別可能なネーミングが付けられているのも悲しい。Mr.Big(UK)ですよ(UK)って付くのが近年の呼び名のようだ。それは当然ながらアメリカでポップなメロディアスを武器にしたハードロックバンドがMr.Bigとして知られているからだろう。今更そんな話を書いてもしょうがないが、自分では随分古くからこのMr.Big(UK)を知ってたからちょいと違和感ある。リアルタイムではないが。

 そのMr.Big (UK)の1977年リリースのセカンド・アルバム「Photographic Smile」。ツインドラマーながらの4人編成バンドからフロントに一人メンバーを追加してのセカンド・アルバム、それでもサイモン・フィリップスをゲストで迎えるとはどういう理由だろうか、やはり腕の問題が大きそうだが、それはともかく、Mr.Big(UK)と言えばキッチュでポップで不思議なおもちゃ箱のようなサウンドを奏でるバンドだ。その風貌からは思い付かないキラキラポップが飛び出してくるから面白い。本作も冒頭からハチャメチャなポップ曲が飛び出してきて、思わずドギマギしてしまう。クイーンの流れが一番近いだろうか、しかも初期のクイーンからカッコ良さを抜き取ったサウンド、そこにELO的な実験色をふりかけながらアイルランド風味で味付けしている感じ。

 リアルタイムなリスナーはかなりハマった人が多かったらしく、その勢いを受けてのセカンド・アルバムだからヒット曲「恋するロメロ」が入っているが、今の時代に聴けば「ロメロ」が突出しているものでもなくアルバム全体があのテイストに溢れている。そしてアルバムB面ではひとつの組曲が構築されているので、より一層ドラマティックに楽曲が紡がれていくのも面白い。恐らく今聞いてもかなりの突き抜けた名作アルバムとも言える。そして時代的にファンクネスな流れも持ち込んでいるワケの分からなさ。全く英国ロックは不思議だ。



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フレ
Posted byフレ

Comments 2

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おっさん  

これはよく聴いてました。

ファーストも好きですね、
「麗しのザンビア」中華風イントロは面白い!

2020/02/26 (Wed) 09:16 | EDIT | REPLY |   
フレ
フレ  
>おっさん

売れたみたいですねぇ…

2020/03/01 (Sun) 21:09 | EDIT | REPLY |   

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