Paladin - Paladin

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Paladin - Paladin (1970)
Paladin

 70年代英国アンダーグラウンドのバンドの奏でる実験色強いサウンドはアイディアの宝庫だ。今でもそういうバンドはあるが、この頃の熱気と比べるものではない。皆が皆ロックに色々なサウンドを混ぜ合わせて面白い試みを繰り広げて進化させていた時代、どんなアングラなバンドでもそういう実験色は大抵持っていてキラリと輝く個性にすらなっている場合も多い。

 Paladinの1970年リリースデビューアルバム「Paladin」もそんな一枚で、基本ロックサウンドだが、それに加えてのややアフロチックなスタンスを取り混ぜた色を出している。音を聴いているとバンドの演奏自体はかなり上手い部類に入るのでミュージシャン的にはその後の活動も含めて見れば才能溢れるメンバーだったようだから、ここでの実験色豊かなサウンドへの挑戦は狙ったものだろう。そして演奏もきちんとそこを目指してのサウンドを奏でていたと思う。ブルース色も根底にありつつ、アフロリズムを混ぜ合わせながらどこかハードにもプレイする時もあり、歌メロもきちんとある不思議な感覚のサウンドはこの手のサウンドが好きなリスナーを取り込む魔力を放つ。

 Paladinと言えば大抵はセカンド・アルバム「チャージ!」のロジャー・ディーンジャケットを思い浮かべるだろう。自分もそうだが、本作のシンプルなジャケットではあまりにもアルバムのサウンドが良い割に売れなかった、知られなかった反省からセカンド・アルバムがジャケットだけでも話題になるように仕向けていったように思われる。アルバムの中身的には多分こちらの方がバンドの狙いを反映させた音のような気がするし。



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フレ
Posted byフレ

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