Gravy Train - Second Birth

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Gravy Train - Second Birth (1973)
Second Birth

 奔放なロックはカッコ良い。B級色がプンプン香るバンドのロックはそのカッコ良さの部類が少々異なるので、アルバムに数曲カッコ良い曲があれば御の字。それが多くなると奇跡のアルバム、発掘された名盤、などと様々な謳い文句を付けられて世に流れてくるので、大抵のアルバムは知ることが出来る。それなりにアンテナは必要だし、情報取りにもいかないとダメだろうが、今なら何かしらロックの名盤的なトコロで出て来る作品を聴いていけば良いだろう。ただ、一回聴いただけじゃどうしようもないアルバムも多いので、最低でも3回は聞かないとピンと来ないかもしれない。

 Gravy Trainの1973年リリース3枚目のアルバム「Second Birth」。この後はVartigoからDawnレーベルに移ってあの有名なジャケットのアルバムをリリースするので、Dawn時代最初のアルバムだが、これがまた名盤。自分がこの手の音が大好きなのはあるが、ショボいながらもハードなギターロックを聴かせてくれたりアコースティックでしっとりとプレイしてコーラスワークまで入れて聴かせてくれたりとバリエーションが豊か。面白いのはマルチプレイヤーなのか、J.D.Hughesと言う鍵盤も吹奏楽器も奏でる人がいて、この人が楽曲のバリエーションをとてつもなく広げている。ボーカルのノーマン・バレットの歌声も実にロック的に熱唱していて暑苦しいがかなりカッコ良いので、バンドのショボさをロック的に引き上げている。楽曲はこの時代ならではの、そしてグレイヴィ・トレインらしくパーツそれぞれをくっつけて展開させている事が多いからやや無節操。

 面白いのはいくつかの曲では超絶ハードロックなくせに音がショボかったり、やたらとフルートやサックスが目立つ曲があったり、叙情的とすら言えるアコギバラードが加わったりと頼もしい作品。これぞ自由な時代のロックバンドのアルバム。それに加えてVertigo風味がまぶされているから魅力的。こんなの今じゃ誰も出来ないだろうし、そのレベルはアマチュアですら超えているだろう。だが、この熱気とチャレンジとプレイがあったからこそ王道バンドが王道として君臨出来た面も否めないはずだ。いやはやカッコ良いリフだらけ。





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フレ
Posted byフレ

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