Renaissance Illusion - Through the Fire

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Renaissance Illusion - Through the Fire (2001)
Through the Fire

 ルイス・セナモの名を見れば当然ルネッサンス〜イリュージョンを思い出すので、そのヘン以外に何してた人だろう?と気になってみれば、当然アルバマゲドンも出て来る。そりゃそうだが、とふと見てるとジム・マッカーティのソロアルバムの発展形作品に旧イリュージョンのメンバーがほぼ参加したアルバムが2001年にリリースされているのを見つけて、それは知らなかったと喜んで耳にしている最中。

 Renaissance Illusion名義の「Through the Fire」というアルバム。メンバーはジム・マッカーティにルイス・セナモ、ジョウ・ホウクンに何とジェーン・レルフ。そりゃ期待しちゃうでしょ。いつもの事だが、その期待は当然すぐに裏切られる事になり、自分が如何に発展していないか、古いロック概念に囚われているかを認識してしまうくらい。要するにジム・マッカーティのソロアルバムの延長線のゲストメンバーに古き友人を招いたというアルバムに近く、楽器演奏組はそれなりに個性を発揮して弾いているが、期待のジェーン・レルフはメインボーカルではなく女性コーラスチームの一員でしかない。クレジット上でのジェーン・レルフとの曲は美しく流石だなとも思うが、それくらい。アルバム冒頭からルイス・セナモのベースのウネウネで始まるし、曲調も落ち着いた雰囲気で始まるから期待させてくれたが、歌が入るとジム・マッカーティの男声。いや、上手いしソフトだし、作品的にはルネッサンス・イリュージョン的なピアノを中心とした、またアコースティックを基調とした作品ばかりで素晴らしいが、そこで男声ばかりか、と残念感の方が強かった。それならそのバンド名使わないでくれとも思ったが売るためだからしょうがない。

 気を取り直して聴いていると、確かにメインソングライターだったジム・マッカーティの作品だから、クラシカル且つアコースティック、そして女性コーラスも配した美しき作風が立ち並び、ともすれば単なるBGMレベルとも言えるクォリティにすらなっている面もある。ロック的な面はほとんど聴かれる事もないし、そこを求めてもいないが、当然ながら改めて70年代は70年代の音でしかなかったと。その名残をこういう作品でしみじみと味わう事になるとは。ましてやその侘しさを募らせる作風が終盤に来ているから、何かの終わりを感じさせるムードも持ったアルバム。





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フレ
Posted byフレ

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