Wishbone Ash - Number the Brave
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Wishbone Ash - Number the Brave (1981)

美しきツインリードギターバンドと言えば今でも必ず名前が挙がるWishbone Ash。それほどにスタイルを確立したバンドで、名作アルバムも何枚もリリースしている。70年代の英国ロックを漁れば当然出て来る名作「Argus」は多くのロックファンが聴いた事があるだろう。ジャケットの不思議な感触と実際にアルバムを流している時のあまりにも美しく繊細なサウンドはツインリードギターバンドとしてのイメージとは少々異なるかもしれない。それは今の時代で聴けるサウンドが拡張されすぎているからだろうし、元々のツインリードの美しさとはこの繊細さがあって然るべきものだろう。時代感覚おかしいかもしれないが。
Wishbone Ashの1981年リリース作「Number the Brave」。一般的に知られているであろう側面ではジョン・ウェットンが参加している事で、アルバムそのものを語られる事はさほどない。自分でもジョン・ウェットン参加アルバムとは知っていたが、ほとんど聴いてなかったし、ジョン・ウェットンがどうって思ったほどでもなかった気がする。後追いだとどうしても初期名作あたりをひたすら聴いてしまうから、思い入れのないアルバム群は聞く回数が圧倒的に少ない。今回もその類で、改めて聴いてみたが、どう聴いてもこれがウィッシュボーン・アッシュの素晴らしき作品だ、とはならない。冒頭から驚くべき超絶ファンキーポップな作風が立ち並び、そこだけでオールドリスナーは拒絶するだろうから、そもそも終わってる。リアルタイムでウィッシュボーン・アッシュのアルバムを楽しみにしていたリスナーはもっと見放し感あっただろう事は想像が付く。あの美しきツインギターまでは望まないが、少なくとも繊細で美しきメロディを奏でる楽曲が聴きたいと願ったと思うし、本作のとんでもない方向性はロックファンなら受け付けなかった事は当然か。自分でもそうだ。
ただ、それでも良いところはいくつもあるし、聴き方を変えれば良く出来てるとも言える。まずアンディ・パウエルの円やかな歌声の発見、ポップファンク志向のスタイルと元来ウィッシュボーン・アッシュが持っている繊細な旋律との融合、その結果はファンキーらしいサウンドの中でもコード進行の珍しさでもあろう。更にはプログレッシブとまでは進まないが、普通ではないパターン展開。ごく一部の曲だけがそういう面白さを持っているので、そこを楽しみに聴くのはある。ジョン・ウェットンも歌っているが、やはり浮くからアンディ・パウエルの歌声にフォーカスが当たる。しかし…どう褒め称えてもこのキャッチーでファンキーなスタイルは好ましくない。そしてウィッシュボーン・アッシュはメンバーチェンジを繰り返し、何処に向かおうとしていたのか、どんどんと失速していく…。

美しきツインリードギターバンドと言えば今でも必ず名前が挙がるWishbone Ash。それほどにスタイルを確立したバンドで、名作アルバムも何枚もリリースしている。70年代の英国ロックを漁れば当然出て来る名作「Argus」は多くのロックファンが聴いた事があるだろう。ジャケットの不思議な感触と実際にアルバムを流している時のあまりにも美しく繊細なサウンドはツインリードギターバンドとしてのイメージとは少々異なるかもしれない。それは今の時代で聴けるサウンドが拡張されすぎているからだろうし、元々のツインリードの美しさとはこの繊細さがあって然るべきものだろう。時代感覚おかしいかもしれないが。
Wishbone Ashの1981年リリース作「Number the Brave」。一般的に知られているであろう側面ではジョン・ウェットンが参加している事で、アルバムそのものを語られる事はさほどない。自分でもジョン・ウェットン参加アルバムとは知っていたが、ほとんど聴いてなかったし、ジョン・ウェットンがどうって思ったほどでもなかった気がする。後追いだとどうしても初期名作あたりをひたすら聴いてしまうから、思い入れのないアルバム群は聞く回数が圧倒的に少ない。今回もその類で、改めて聴いてみたが、どう聴いてもこれがウィッシュボーン・アッシュの素晴らしき作品だ、とはならない。冒頭から驚くべき超絶ファンキーポップな作風が立ち並び、そこだけでオールドリスナーは拒絶するだろうから、そもそも終わってる。リアルタイムでウィッシュボーン・アッシュのアルバムを楽しみにしていたリスナーはもっと見放し感あっただろう事は想像が付く。あの美しきツインギターまでは望まないが、少なくとも繊細で美しきメロディを奏でる楽曲が聴きたいと願ったと思うし、本作のとんでもない方向性はロックファンなら受け付けなかった事は当然か。自分でもそうだ。
ただ、それでも良いところはいくつもあるし、聴き方を変えれば良く出来てるとも言える。まずアンディ・パウエルの円やかな歌声の発見、ポップファンク志向のスタイルと元来ウィッシュボーン・アッシュが持っている繊細な旋律との融合、その結果はファンキーらしいサウンドの中でもコード進行の珍しさでもあろう。更にはプログレッシブとまでは進まないが、普通ではないパターン展開。ごく一部の曲だけがそういう面白さを持っているので、そこを楽しみに聴くのはある。ジョン・ウェットンも歌っているが、やはり浮くからアンディ・パウエルの歌声にフォーカスが当たる。しかし…どう褒め称えてもこのキャッチーでファンキーなスタイルは好ましくない。そしてウィッシュボーン・アッシュはメンバーチェンジを繰り返し、何処に向かおうとしていたのか、どんどんと失速していく…。
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