British Lion - The Burning

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British Lion - The Burning (2019)
ザ・バーニング

 先日とあるライブ会場に行くと年季の入ったメタラーらしき方々が「ブリティッシュ・ライオン行った?」「良かったな」との会話をしているのを幾度か聞いた。丁度その頃に来日してライブしていったのだろうが、自分的にはそこまで知らなかったので、ブリティッシュ・ライオンってモット・ザ・フープルの残党達のバンドが今日本に来てるのか?と一瞬不思議に思ったが、当然そんな事なく、その後すぐにスティーブ・ハリスのバンドの事を思い出した。これもまた妙な話で、そもそも自分がやりたい事を始めたのがアイアン・メイデンだろうし、それがあまりにも巨大化してしまったから音楽の方向性を変えるワケにもいかず、新たな取組を図るワケにもいかないと言う大企業病とも言える状態に陥っている。そこでスティーブ・ハリスは別バンドを作り、そこでこじんまりと元来やってみたかったサウンドの探求を始めたようだ。

 当然ながらそのバンドに対して熱意はあるものの、新たな息吹をシーンに吹き込むほどの革新的なサウンドを持っているワケでもないから往年の大英帝国らしいハードロックバンドの姿が聴ける。それで良いのだろう。そんなBritish Lionの2019年のアルバム「The Burning」。正直書けばこれくらいの曲だったらスティーブ・ハリスも簡単にベース弾けちゃうだろうし、何らトリッキーな事もしないだろうし出来ないだろうし、あまりにも普通なハードロックスタイルのバンド。当然それなりに仕上がっているし楽曲が悪い事もない。ただ、どれもこれも同じような曲調が並ぶので単調になりがちなアルバムとも聴ける。それが売りだ、と言えばそうかもしれないが、さすがに今の時代にそれはちょいと飽きる部分が大きい。少なくとも自分はそう思った。

 それでもしっかりとバンドらしいまとまりを見せているし、ひとつのスタイルを確立しているのも確か。今のシーンでこういう音を持つバンドもあまり無いと言えば無いので、その意味では必要なバンドとも言える。いわゆる80年代にいたバンドのようなスタイルに近いサウンド。そこまでハイトーンが売りでもないからそこからちょっと地に足付けた感あるが。スティーブ・ハリスの超絶ベースが何箇所かで聴けるので、そこはさすがに面白い。更に楽曲の中でもやはりスティーブ・ハリスらしいな、というフレーズや音の使い方はあるので、その意味では研究して聴くと面白さは増すだろう。





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フレ
Posted byフレ

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