Jack Bruce - Out Of The Storm

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Jack Bruce - Out Of The Storm (1974)
OUT OF THE STORM (IMPORT)

 もう一人の名高い往年のロックベーシストにジャック・ブルースがいる。クリームでの活躍からベーシストとしての才能は世間に知れ渡り、皆が目指すベーシスト像にもなっているが、同じように弾くスタイルでは個性があまりにも強烈過ぎたため憧れの存在として置かれている。そのジャック・ブルースもクリーム解散後はソロアルバムを制作し、マウンテン組と組んだアルバムをリリースしながらもまた解体、その1974年に4枚目のソロアルバム「Out Of The Storm」をリリースしてきた。環境からアメリカのミュージシャン組、ジム・ケルトナーやジム・ゴードンを迎えての作品に取り組み、なかなかの傑作に仕上がっている。その傑作度合いの測り方が難しくて、これまでのソロ作品風味よりはアメリカン的なスタイル、空気感を持ち込んでいるのは明らかだが、楽曲の良さが少々物足りなく感じる事からどうしても名作的にはならないようだ。

 Jack Bruceってクリームでもあれだけ曲書いてたのだから、もっとキャッチーに自身を際立たせる作品も書けただろうと思うが、本作で聴ける作風は、こじんまりと身の詰まった楽曲郡が多いように思える。ベースが目立つ程でもなく、歌で聞かせるでもなく、曲の良さが際立つものでもない。幾つかプログレッシブな展開を聴かせる曲もあるが、どこか中途半端な印象も否めず、他の楽曲にしてもやはり何かに秀でている面はなかなか見つけにくい。ただ、充実した作りだと言うのは何故か伝わってくる。声のゆとりだろうか、ベースプレイだろうか、ドラムやギターを除いてベースと歌だけを聴いているとなるほど、ジャック・ブルースってこういう思考回路で頭と指が繋がっているな、と分かりやすくなる。そんな聴き方する事もないだろうが。幾つかベースがぶっ飛んだスタイルを聞かせてくれるのはさすがにソロアルバムならでは。

 ギターが双璧を張っているくらいにプレイされているので誰かと思ったらスティーブ・ハンター=ボブ・エズリン関連の作品によく起用されるギタリストで、アリス・クーパーやルー・リードの所でもギターを弾いていたらしく、ここでもそんな経験値が活かされてるのか、割とインパクトあるプレイが随所で聴かれる。更に作詞には盟友ピート・ブラウンを迎えているので、自分的には歌詞を把握してはいないが、いつものようにリリカルな内容なのだろう。ジャケットの陰鬱さもアルバムのムードを象徴しててなかなかの作品。





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フレ
Posted byフレ

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