Joy Division - Closer

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 1976年に産声を上げたパンクの波は一瞬にしてその攻撃性を他のジャンルに譲り、即座にニューウェイヴとしての音楽性を発揮してきた。外に向けて発散するパンクの攻撃性は同時に自身に向けて内部に発するエネルギーの封じ込めという手法にも使われることとなりそれが陰鬱な英国の空気と相まって新たな音楽を産み落としていったのだ。先日のバウハウスなども同じような時代に同じコトを進めていたバンドで、それはゴシックサウンドとしてナルシストの世界へと導かれていくこととなったが、同時代に更にシリアスだったバンドにジョイ・ディヴィジョンというバンドがある。別段有名なバンドでもないのだろうが、その筋にはカリスマのバンドだ。バンドに在籍していた人物が死ぬことで伝説化することは往々にしてあることだが、このバンドもその例にならうトコロは大きいのだろう。…が、そんなことを気にしないで聴いた時、果たしてどんなバンドなのだろうか?そう思い久々に聴いてみる。

Closer アンノウン・プレジャーズ

 やっぱり暗い。

 とことん暗い。

 それがジョイ・ディヴィジョンのセカンドアルバムにして名作と呼ばれる「Closer」という作品だ。ただ、歌詞を抜きにして聴いてみるとパンクの持っていたスピリッツを内側に向けていることはよくわかる。演奏も大したことはないのだが、無機質なドラミングによるリズムが淡々と音を刻み、不思議と心地良いサウンドを提起してくれているのだ。単純な曲調は正にパンク的ではあるが、そこに載っかるイアン・カーティスの独特の暗さを持つ歌声は繊細な心を持つ若者には響きすぎるのではないだろうか。彼はこのアルバムのレコーディングが終了して、アメリカツアーに出ようという矢先に部屋で首吊り自殺をしてしまう。残されたバンドメンバーは仕事をこなすこととなるが、それがそのままニューオーダーというバンドになり、それなりに売れていくのだから面白い。そしてジョイ・ディヴィジョンは歴史を閉じることになる、というかこのアルバムのリリース時にはいないわけだからラストアルバムなんだよな。しかし音的にはかなり新鮮なサウンドだったことは間違いなくて、後の英国から生まれてくるバンドに大きな影響を及ぼしていることは一目瞭然。多分ザ・スミスあたりには多大なるインパクトだったんだろうと思うが。

 ファーストアルバム「アンノウン・プレジャーズ」はもう少しロック的な要素が強くて理解しやすいところにあるし、ジャケットの印象も強い作品。まぁ、どっちが良いかと言うのは難しい選択ではあるんだけどね。セカンドの暗さっつうのがこのバンドの真髄であることは間違いないわけで…。はぁ、ちょっと浮き上がれない音だな…。
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フレ
Posted byフレ

Comments 3

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kiyo  
これは・・・

またまた超好きなバンドです。
実は最近ずっとクローサー聴いてます。
イアン・カーティスの声が受け入れられればハマるバンドですよね。

個人的には、90年代のサウンドの多くはこの『クローサー』に始まって結局このアルバムに帰る、みたいな感じに思えますね。リリースは80年代初頭なんですが、そこから10年間熟成して、90年代に一気にメインストリームに来たみたいな。グランジもローゼズもデジタルロックもレディオヘッドみたいな音楽も、全部元はここからって気がします。まあ、もっと遡れば『Low』が先祖になるんですが(笑)。

2枚とも大名盤ですね。

2007/04/04 (Wed) 10:02 | EDIT | REPLY |   
papini  

お、やっとコメしやすい、またマニアックなところが来た(笑
どうもなんていうか、メジャーどころってコメしづらい(笑

実にこう、不健康な音盤だよね。
精神的にも肉体的にも。
でも、アタシは好きな音盤だったりするけど。
特に「Closer」の方は、イアン・カーティスの哲学が
いっぱい詰まってる音盤だと思う。

まだ、ウチではやってないけど、そのうちやろうかと思ってる音盤。
世界の根暗さん大集合、的な特集でもやろうかなぁ(笑

2007/04/04 (Wed) 10:09 | EDIT | REPLY |   
フレ  
さんくす!

>kiyoさん
お~、好きですか…。暗いっすよねぇ、ホント(笑)。「Low」の鋭さとはちと違うヘヴィーさがありますなぁ、これは。

>papini嬢
やっぱマニアック音盤だよな。不健康だし(笑)。ハマる気分の時には聴きたくないアルバムかもしれん、と思った。

2007/04/06 (Fri) 00:09 | EDIT | REPLY |   

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  • 2008.01.15 (Tue) 18:02 | ROCK野郎のロックなブログ
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  • 2008.11.20 (Thu) 12:31 | ROCK野郎のロックなブログ