Triumvirat - Mediterranean Tales

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Triumvirat - Mediterranean Tales (1972)
Mediterranean Tales by Triumvirat (2002-10-15)

 鍵盤ロックについてはさほど詳しくない。自分がギター好きだからギターの入っていないバンドをそこまで真面目に聴く事が少ないからだ。鍵盤をギターのように使っているバンドはハードロック路線になってくるので好んで聴くことも多いが、普通に鍵盤を鍵盤的に使っているバンドは、面白いと思うが聞く回数は少ない。EL&Pにしても他のプログレバンドに比べたら全然聞く回数は少なかったし、楽しめたかと言われるとそこまででもない。ギターでコピーする曲が無いから取り組み方が違う部分が大きいからだろう。リスナー的に、プログレッシブ・ロックに取り組む場合はそういうのも抜きにして聴くからバンドの印象や曲の良し悪しで記憶するが。

 ドイツの鍵盤プログレッシブバンドとして名高いTriumviratの1972年リリースのデビューアルバム「Mediterranean Tales」。今年はネズミ年なのでどうせ書くならネズミジャケットが有名な作品群が良かったが、それらは既に本ブログに登場しているのでこのファーストアルバムが登場です。1972年にドイツから出てきている時点で英国ロックのの模倣とは予想できるが、見事なまでにブリティッシュ・ロックそのまま。ギターが無いトリオ編成の分、大英帝国ロックにあったブルース色は皆無であろうとも鍵盤主導だから問題なく、そこがEL&Pの特徴でもあったが、クラシックとの融合の上手さだ。そうなるとドイツは強いかもしれない。クラシックのお膝元部分もあるし、基礎レベルはそっちで整っているから、そこにロック成分をどれだけ取り入れられるかとなる。この頃の若者なら当然初期衝動は持ち得ているだろうからそこでのクラシックとの融合は案外ハイレベルで出来たのだろう。そう思うと、トリアンビラートの作風は理解しやすい。

そんなウンチクを抜きに普通にアルバムを冒頭から流してみると一発で気にいるだろう。どう聴いてもEL&P譲りのオルガンロックが奏でられるし、そのビートもロック的でカッコ良いから。旋律の流れは当然練られているし、美しく叙情性を持ち得て響いてくる。ボーカルが入ってくる所もポップシーンへ殴り込む意欲を感じられるもので、そのボーカルスタンスですら叙情性とコーラスありとなかなかにアイディア豊富な取り組み。このバンドはどのアルバムもかなりの名盤を創り上げているので、あまりドイツを意識することなく取り組むべき作品、バンドだろう。



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フレ
Posted byフレ

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