Mike Oldfield - Incantations

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Mike Oldfield - Incantations (1978)
インカンテイションズ(紙ジャケット仕様)

 バンド仲間で叩き上げて出て来た連中と音楽的才能に恵まれたミュージシャンシップの中で育まれて出て来た人たちとは根本的に音楽に対するアプローチが異なるし、人脈の広さや交流の幅も大きく異なる。それが良い悪いではなく、何かをしたいと思った時に出来てしまう環境があるか無いかの岐路になる時もあるのかもしれない。もっとも、そういう人はさっさとミュージシャン内で仲間が出来ていくからあまりそんな事に悩まないでも良いだろうが。ミュージシャンってホント、天才的にミュージシャンばかりだから、仲間ってもなかなか難しかったりするだろう。プレイヤーはその点、天才的なプレイヤーなだけなので、作り上げるミュージシャンとは本質的に異なるから上手くやれる人が多いのか。

 Mike Oldfieldの1978年リリースのオリジナルアルバム4枚目の作品「Incantations」。これまでの「Tubular Bells3部作」から三年の月日が経過してのリリースで、どういう作風になるかとの期待感もあったようだが、出て来た答えはこれまで以上にカラフルにドラマティックに雄大で豪華な作風だった。結果的にある意味何も変わらない作品となったが、音にゆとりが感じられるから明らかに作り方、制作状況が変わっている点は分かる。時代による音質の、機材の進化に依る所も大きいだろうが。それが故にやりたい事が一層手軽に出来上がるようになったのかもしれん。それでゴージャスになったか。面白いのはアチコチで次なる旋律が出てきてアルバム全体が万華鏡のようにキラキラと懐かしい雰囲気も感じさせながら新たな展開を期待してしまう不思議。

 これまたマディ・プライアのコーラスワークやボーカルが美しかったり、サリー・オールドフィールドも華を添えている。メンツ的にはゴングのピエール・ムーラン参加で、オーケストラ部分はいつものデヴィッド・ベッドフォードという布陣で、安心の一枚。久々にマイク・オールドフィールドの初期作品を聴いたが、やはり良いな…。このミニマル感が時間の流れを忘れ去らせてくれるのでどうにもハマる時にはハマる。ソフツほどテンション高く聴かなくても普通にBGM的に聞けてしまう所が見事。いつの時代でも名盤と謳われる一枚。





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フレ
Posted byフレ

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