Pink Floyd - The Later Years (1987-2019)
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Pink Floyd - The Later Years (1987-2019)

今や伝説の域に入っているピンク・フロイド。その意味合いはロジャー・ウォーターズ在籍時代のピンク・フロイドに大多数の賞賛が向けられていると思われるが、バンド名は強い。ロジャー脱退後のギルモア主導のピンク・フロイドも同じ名前のバンドだから何十年も経ってみればどちらもピンク・フロイドだ。ロジャーがいようがいまいが、サウンドの変化はいつの時代にもあるし、その変化によって失われたロックイズムは後になってみれば重さでしかなかったかもしれない。結果的にロジャー抜きのピンク・フロイドの楽曲も普通にピンク・フロイドの曲として讃えられ、カバーされたりもしているから時代は変わりゆく。ロジャー時代の云々などとは今は語られる必要性すら見当たらないかもしれない。その中心人物デヴィッド・ギルモアですら、ミュージシャン的にキャリア的に悩ましい時期があり、その時に面白いことにThe Whoのピート・タウンジェンドのソロプロジェクトの専属ギタリストとして帯同している。1985年頃なので丁度フロイド裁判闘争時だろうか、さすがにうんざりしての別仕事参加だったかもしれない。
Pink Floyd名義でとんでもないブツが発売された。「The Later Years (1987-2019)」で、何と18discと多種多様のレプリカおもちゃアイテム集、更に詳細なるブックレットと称された解読本をひとつにして5万円強のプライスで市場に投下。当然ながらその筋の人間を狙い撃っての発売だろうからほぼ当確の売上が立てられる見込み、そしてその後は明らかにプレミアムになるセットものだろう。1枚組のハイライト盤は先んじてリリースしているが、恐らく市場から消えた時点でバラ売りして来る可能性も高いと見る。そこまでの価値があると思いたいが、時はギルモアフロイド時代の音源ばかり。年月は長いが作品数はさほど多くない中、ありとあらゆる手段でのソースを充実させ、未発表ライブをいくつも入れて、当時のライトショウをこれでもかと見せつけてくれる。
気の抜けたコーラ、という例え話があるが、ロジャー抜きのフロイドは正にその例えに当てはまった。ただ、楽曲の完成度や洗練さはロジャーなしの時代の方が高く、さらりと聴けるレベルになっているので重宝されている。実際どのアルバム聴いても実に洗練された音が飛び出してくるから、やけに心地良い。これはこれで独自サウンドとも言えるし、ギルモアの作風だろう。そこに過去のフロイドの曲をライブで持ち込むから同じレベルで聴いてしまうリスナー。そこに魂があろうがなかろうが…、とは言いすぎだが、今このセットの幾つかを耳にしていても、あまりにも爽やかにさらりと聴けてしまうサウンドの違和感が自分には妙に感じる。一大スペクタルショウとしては素晴らしきエンターティナーだろうが、ロック面からした時のピンク・フロイドを尊敬する自分からは一歩開けておきたい作品のオンパレード。それでも素晴らしい音世界なのは当然。
アルバムジャケットはヒプノシスチームの作品だろうとは思うが、歪んだデザインからしてダリの作品を思い起こしてしまった。ちょいと似てる感じあるでしょ。素晴らしいセンスだ。

今や伝説の域に入っているピンク・フロイド。その意味合いはロジャー・ウォーターズ在籍時代のピンク・フロイドに大多数の賞賛が向けられていると思われるが、バンド名は強い。ロジャー脱退後のギルモア主導のピンク・フロイドも同じ名前のバンドだから何十年も経ってみればどちらもピンク・フロイドだ。ロジャーがいようがいまいが、サウンドの変化はいつの時代にもあるし、その変化によって失われたロックイズムは後になってみれば重さでしかなかったかもしれない。結果的にロジャー抜きのピンク・フロイドの楽曲も普通にピンク・フロイドの曲として讃えられ、カバーされたりもしているから時代は変わりゆく。ロジャー時代の云々などとは今は語られる必要性すら見当たらないかもしれない。その中心人物デヴィッド・ギルモアですら、ミュージシャン的にキャリア的に悩ましい時期があり、その時に面白いことにThe Whoのピート・タウンジェンドのソロプロジェクトの専属ギタリストとして帯同している。1985年頃なので丁度フロイド裁判闘争時だろうか、さすがにうんざりしての別仕事参加だったかもしれない。
Pink Floyd名義でとんでもないブツが発売された。「The Later Years (1987-2019)」で、何と18discと多種多様のレプリカおもちゃアイテム集、更に詳細なるブックレットと称された解読本をひとつにして5万円強のプライスで市場に投下。当然ながらその筋の人間を狙い撃っての発売だろうからほぼ当確の売上が立てられる見込み、そしてその後は明らかにプレミアムになるセットものだろう。1枚組のハイライト盤は先んじてリリースしているが、恐らく市場から消えた時点でバラ売りして来る可能性も高いと見る。そこまでの価値があると思いたいが、時はギルモアフロイド時代の音源ばかり。年月は長いが作品数はさほど多くない中、ありとあらゆる手段でのソースを充実させ、未発表ライブをいくつも入れて、当時のライトショウをこれでもかと見せつけてくれる。
気の抜けたコーラ、という例え話があるが、ロジャー抜きのフロイドは正にその例えに当てはまった。ただ、楽曲の完成度や洗練さはロジャーなしの時代の方が高く、さらりと聴けるレベルになっているので重宝されている。実際どのアルバム聴いても実に洗練された音が飛び出してくるから、やけに心地良い。これはこれで独自サウンドとも言えるし、ギルモアの作風だろう。そこに過去のフロイドの曲をライブで持ち込むから同じレベルで聴いてしまうリスナー。そこに魂があろうがなかろうが…、とは言いすぎだが、今このセットの幾つかを耳にしていても、あまりにも爽やかにさらりと聴けてしまうサウンドの違和感が自分には妙に感じる。一大スペクタルショウとしては素晴らしきエンターティナーだろうが、ロック面からした時のピンク・フロイドを尊敬する自分からは一歩開けておきたい作品のオンパレード。それでも素晴らしい音世界なのは当然。
アルバムジャケットはヒプノシスチームの作品だろうとは思うが、歪んだデザインからしてダリの作品を思い起こしてしまった。ちょいと似てる感じあるでしょ。素晴らしいセンスだ。
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