Ronnie Wood With His Wild Five - Mad Lad: A Live Tribute To Chuck Berry

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Ronnie Wood With His Wild Five - Mad Lad: A Live Tribute To Chuck Berry (2019)


 ロン・ウッド、その歳にして今これをやるのか、と。ちょいと驚きながら、そしてちょいと冷やかし気味にライブアルバム「Mad Lad: A Live Tribute To Chuck Berry 」を聴いてみたら、とんでもなく驚く事になってしまった。どこのセッションでも、ともすればストーンズでもそこまで真面目にギター弾いてないじゃないか、と思うくらいどういうギターを弾いているか分からない人だったのが、ここで流石の渋いギターを存分に弾きまくってくれている。ホント、この人、良いギター弾くのに全然その出番が無かったり弾いてなかったり、ちょっとだけ弾いておしまいにしたりと出し惜しみしてくれる。真面目にギタリストしてるのはロッドとやってる時くらいじゃないかと思うくらいだが、もちろん実際はそんな事なく、いつでもここぞという所でビシッとギターを弾いてくれる。それがまた心地良いので、センスの塊みたいな人だ。

 2019年、念願の、そして永遠のアイドルでもあるチャック・ベリーのトリビュートアルバム「Mad Lad: A Live Tribute To Chuck Berry」をリリース。前年に銘打ったライブを開催して、そのライブアルバムという方が適切だが当然ながら録音してアルバムリリースする前提だっただろう。それがとても付け焼き刃的に行ったライブとは思えないレベルのプロフェッショナルな作品に仕上がっているのは当然とは言え、どんだけリハーサルして調整したのだろうか、と感慨深くなる。それくらいに想い入れあったトリビュートだったのだろう。以前にボ・ディドリー本人と一緒にライブやってアルバムリリースしているのは知られているが、同じ頃チャック・ベリーはキースと一緒に取り組んでいた。そちらは映画として残されているが、キース苦難のセッションとしても知られている。やはり世代的に同じだし、ギター好きというのもあるから当然ながらチャック・ベリーへの想いも強く、こういう機会を設けることになったようだ。良いよね、ホント。しかもセッションには意外な所でのイメルダ・メイが全面的に参加しているのが面白い。若くて上手くてR&Rでバッチリなチョイス、ベックに紹介してもらったのかな。

 さて、アルバムは超渋いロン・ウッドお得意のスライド・ギターインストからスタート…、PVがこれまた凄いよ。リムジンでぶっ飛ばしてるのも凄いし、その中でラフなスタイルでスライド弾いてるロニー…、金持ちロック野郎そのままでカッコ良すぎる。続いて1曲だけ自作のトリビュートソングを入れて本格的にスタート。いきなりチャック・ベリーそのままです。鍵盤奏者にストーンズとは馴染みの深くなってきているベン・ウォーターズを入れてのショウだからもうブギウギは完璧だし、そもそもリズム隊は単調になりがちな所をプロなメンツで支えて、ロニーが本気でホントにチャック・ベリーに成り切って弾いている。よくコピーしている、のだろう。当然完璧なコピーとは違ってロニー流に吸収した上でのチャック・ベリースタイルとフレージングを全面に足したギタースタイル、上手い。こんなに弾けるものなのか、と。チャック・ベリーって音を聴いているだけなのでどうやって弾いてるかよく分からないけど、こうしてロニーが弾いてくれていると、なるほどそう弾いてるのか、と分かってくる。それとギターの音も使ってるギターも色々で頼もしい。案外R&Rだけでなくブルースも多いし、改めてチャック・ベリーです。あのフレーズだけでなく深さを実演してくれているのがロニーのギター。ギター小僧なら存分に楽しめるし、そもそもR&Rだから誰でも味わえる楽しみそのままです。





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フレ
Posted byフレ

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