カルメン・マキ&OZ - 45th Anniversary Live

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カルメン・マキ&OZ - 45th Anniversary Live (2019)


 半年以上前だろうか、カルメン・マキのデビュー50周年記念と題してカルメン・マキ&OZがライブを行うと何かで目にして、そのままチケット発売日に速攻で申し込み、めでたく当選したので先日初めてカルメン・マキ&OZのライブを体感出来た。自分が初めてカルメン・マキ&OZのアルバムを聴いた時には彼らの姿はシーンには無く、70年代の日本のロックを作った伝説のバンドとして既に語られていた。実際にアルバム「カルメン・マキ&OZ」を何度も何度も聴いて、その楽曲の凄まじさに圧倒され、更にマキさんのあの歌声の迫力だ。思えば今でも日本でこれほどの女性ロックボーカリストは聴く事がない。上手かったり迫力あったり声が出るボーカリストはいるが、この気迫と陰鬱さと重さを持つ上手さを持つ女性ボーカルは皆無。メジャーグラウンドにいるハズも無いのは承知の上だが、それでも素晴らしすぎる歌。それが何十年も経った所であの「Live!」のメンバーに近いメンツで見れる、聞けるのだからもうそれだけで舞い上がってた。調べてみれば昨年もライブやってたらしく、全然知らなかった自分が幸せすぎる。そういうの割とあるんだよ。サンハウスも時々ライブやってたりするし、ガスタンクもそう。自分の好きなバンドのHPを日々チェックしているワケじゃないから見逃す事が多い。どうにかしたいが、なかなか全ての情報を網羅する事は出来ない。

 先日のライブは50分程度演って、30分休憩があり、その後また1時間程度演ってアンコール20分くらい。65歳を超えるメンバー達にとって最大限のパフォーマンスだった事は何の疑いもない。そして観客もまた当然ながら同世代程度、即ち還暦世代。ロックって怖いな。まずそう思った。ただ、客層を見ていると良い爺さん婆さんもいるが、ああいう会場でそれなりに気を入れて来ている人たちなので、どこか昔ロック好きだったのかな、と思わせる雰囲気やトンガリ具合や風味が見え隠れする。その歳で長髪かよ、とか革ジャン着てるしなどと普通じゃあまり見かけない爺さん婆さんが多かった。ライブ最中にマキさんもその世代を労ってたし。自分はもっともっと下だからマキさん曰く「後追い」って人間です。そもそも会場に時間ピッタリくらいに到着したのにまだ入り口でそんな老害連中が山のように溢れてて少々驚いた。その辺が若者との違いか、焦って会場内に入ろうとはしないのも面白い。そしてライブハウスなのに椅子が用意されているのも驚いた。なるほど、それでチケットに座席番号があったのか、と今更ながら納得。おかげで気楽に見れたのはあるが、終盤は結局立っているから疲れ具合は同じ。

 照明が落ちて、シゲさんの爆音ベースから…、これって「崩壊の前日」か?そこからか、といきなり長々としたベースソロ弾きまくりからのスタート、見ながらもなるほどこの人、ジョン・ウェットンとグレッグ・レイクとジョン・エントウィッスルだったのかとまざまざと実感していた。一方でメロトロンやハモンド、ムーグあたりに囲まれていたのは厚見玲さんで、やはり凄いなぁ…、OZのサウンドにああいうオールドな鍵盤類は必須で、そのままの音を見事に出してた。音色もプレイも存在感もプロフェッショナルな部分全部背負ってやってた。世界の厚見さんですな、やはり。更にギターは当然の春日さん、実にヌケの良いストラトのサウンドが前に出てて、久々にストラトの本領発揮という音を生で聴いた。歪み過ぎず、要所要所できちんとはっきりとしたトーンや音が出てくるサウンド、相変わらずの職人芸的なプレイとバンドの要感が滲み出ている所も面白い。更にドラムはチャッピー…70歳ですか?それでそのドラム叩く?やはり70年代のロッカー達は違う。そして真打ちマキさんの登場…、往年の髪型のカツラを着けて当時の雰囲気たっぷりでオジーのような腕にヒラヒラがついた真っ黒な衣装でルックスからして時間を戻してくれる。見ているとこのバンド、実はサバスとヒープとクリムゾンとEL&Pを混ぜこぜにしてジャニスに歌わせたみたいなんだ、と気づいた。それでも凄さは変わらないが、そう思わせる演奏力もこれまた凄い。

 そこからはもう正直、夢みたいな時間だった。恥ずかしながら見てたら涙流してたもん。そこまで想い入れ深かったのかと自分でも思ったが、あれ、多分「六月の詩」を見てる時だと思う。詩と歌詞とサウンドに感情移入しちゃったのだろう、そもそも感激してたからそこで初めて気づいた自分もいたが…。休憩前の「閉ざされた街」までは割とヘヴィで70年代プログレ・ハード路線曲を中心にプレイしててちょうど良い休憩タイムだった。ただ、それでも余韻に浸ってしまってて休憩時間は割と一瞬。予定より少々遅れて第二部スタート…、何から来るのかと思ったが、OZ以外のナンバーで、少々興醒めするもやはりマキさんの歌だから何でも素晴らしくなる。やはりゆったりと大らかに歌い上げてくれるのが一番自分的には好みなマキさんの詩。そこからはもう名盤・名曲のオンパレードでどれもこれも何度も聴き馴染んだ歌ばかり、時折入れるMCにも耳を傾け、マキさんのキャラもWebだけでなく生々しく見れる事ができたのは収穫。ホント、文句なしの超満喫したライブで、ロックってこういうもんだよ、と改めて教わった。教わるモンじゃないが、教わった。勝手に自分がそこに身を置きたいだけだとは思うが…。

 見れて良かった。ホント、素晴らしいライブだった。見てからずっと頭の中ではカルメン・マキ&OZの何かしらの曲が流れているし、あちこちで時間ある時には何かしらのアルバムを聴いているし、とハマっている。

■2019年11月23日 クラブチッタ川崎
崩壊の前日
六月の歌
Love Songを歌う前に
Cosmic Jam
Understand
Blue Tange
閉ざされた街
-休憩-
百億の孤独
Image Song
午前一時のスケッチ
昨日酒場で見た女
街角
26の時
私は風〜とりあえずR&R
-アンコール-

B.C.Street

 ビデオシューティングしてたからいずれライブビデオがリリースされるかもしれないので、ちょっとだけ期待していよう。





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フレ
Posted byフレ

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もうすぐ還暦  

同じ日に私も観ました。ノスタルジー半分、冷やかし半分でチケットを購入したのですが、まさか現役最強ロックバンドの姿を目撃することになろうとは。全員ヤバすぎます。カルメン・マキ、今でもなんであんなに声が出るんだ、信じられない。外国のレジェンド達に全然負けていない。春日さんの横にメロトロンがあって、ロバート・フリップを期待させたのですが、一度しかさわらなかったのが残念でした(笑)

2019/12/16 (Mon) 01:40 | EDIT | REPLY |   
フレ
フレ  
>もうすぐ還暦さん

凄かったですよねぇ、ホント。
メロトロン、あの音鳴らしてくれたので感激でした。

2019/12/21 (Sat) 23:20 | EDIT | REPLY |   

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