Freddie Mercury & Montserrat Caballe - Barcelona

0 Comments
Freddie Mercury & Montserrat Caballe - Barcelona (1988)


 あのQueenのフレディ・マーキュリーがこの世を去ってから既に30年近くが経過しようとしているが、Queenの人気や知名度は相変わらずの宣伝活動によって着実に世界を創り上げている。その代表的な存在のフレディ・マーキュリーの名も当然ながら日々忘れ去られる事なく語られている。珍しいパターンだろうと思う。ジョン・レノンやジャニス、ジミヘンとは大きく異なる知名度の継続の仕方、ブライアン・メイとロジャー・テイラーによるQueenの活動がそうしている事は一目瞭然だが、なるほどこういうやり方があるのか、と思うばかりに彼らのバンド存続形態はユニーク。始めはボーカリストの選定に悩まされていたが、アダム・ランバートをゲットしてからは着実に歩みを進めて知名度を維持、アップしている。

 そのフレディ・マーキュリーが1988年にバルセロナオリンピックに向けてのデモテープとも言わんばかりの取り組みを示したアルバム「Barcelona」。スペインのオペラ歌手、モンセラート・カバリエとのユニットとしてリリースしたオペラ作品。何でもカバリエから作曲してくれと依頼があっての取り組み、見事なまでにフレディ・マーキュリー節がたっぷりと振りかけられたオペラアレンジとは気づくだろうか。メロディラインや構成、コーラスワークを意識しているとQueenそのままに聴こえてくる部分も大きい。当然カバリエが歌っているからそうは簡単に思えないが、裸にしてQueenで演奏している姿を想像してみると妙に納得すると思う。曲が良いのどうのと云うのとは少々異なり、ここではフレディ・マーキュリーが存分に歌唱してカバリエの対抗馬としてどこまで君臨できるかという側面が楽しみでもあったが、見事なまでにオペラに対するオペラティック歌唱のフレディ・マーキュリーと絡み合っている。その意味で実に素晴らしい作品、どころかかなりの名盤。

 ただ、好みではないのでさほどの回数は聴いていない。ロックじゃなくオペラを歌う、歌手としてのチャレンジの意味だろうからリスナー側はそれで良いと思う。そして今回コレかな、と思って見てたらなんと2012年に本作のオーケストラ部分を本物のオーケストラで録音し直したバージョンがリリースされていた。それは知らなかったので、早速そちらも聴いてみるが、なるほど、見事に本格的に重厚感のあるオーケストラによるストリングスは品が違う。オリジナルバージョンはシンセでのストリングスで作られていたからかなり安っぽい雰囲気ではあったが、当時それは最先端の機材によるアプローチだったので、そこまで違和感を持たなかった。時代の変化もあって本物のオーケストラバージョンへの差し替えは良いじゃないかと。好みは別として、音楽的なバランスではその方がベターと思った。しかしフレディ・マーキュリー、張りがあって素晴らしい歌声を聴かせてくれます。日本語もあるし、美しいアルバムです。





関連記事
フレ
Posted byフレ

Comments 0

There are no comments yet.

Leave a reply