Luther Allison - Soul Fixin Man

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Luther Allison - Soul Fixin Man (1994)
Soul Fixin Man

 シカゴブルースを奏でる人は必ずしもシカゴ出身ではない。じゃ、その名称は何なんだ?と言う事にもなるが、シカゴ周辺で聴かれるブルースプレイ、もしくはシカゴのバンドが奏でるブルーススタイルという意味での呼称となる。だからミシシッピ出身のブルースメンがシカゴスタイルのプレイをやったら、それはシカゴブルースとなる。そこまで厳密にカテゴライズされたサウンドでもないのだろうが、会話としては成り立ちやすい。シカゴスタイルのブルースだから耳障りは良いよ、的な。テキサスだから暑苦しいがちょいとスカスカ感あって頼もしい、なんて話。

 大物ブルースメンを間近に捉えながらなかなか大成するチャンスに恵まれなかったミシシッピ出身のシカゴブルースメンでもあるLuther Allisonが1994年にリリースした久々のアルバム「Soul Fixin Man」。何とアリゲーターからの復帰作で、どこに潜伏してたんだ、ってくらいに白熱したアグレッシブなギタープレイがたっぷりと詰め込まれた作品。不遇な70〜80年代と言われるものの、ドサ回りできちんと食っていたからこその復帰作。それが特に暗い方向でもなく、完全に吹っ切れたスタイル、作風、しかもあのソウルフルなボーカルに磨きがかかり、ギタープレイはもうアルバート・キング直系且つロックからの逆輸入スタイルで向かうところ敵なしのプレイ。自分的にはホントに大好きなプレイヤーで、聴いているととにかく白熱する。

 この作品は当然ながらスタジオ作品なので、ライブアルバムの熱気があるはずも無いが、何故かものすごくドライブしていて一体感があるから、スタジオ一発録音でのほぼライブアルバムなのかもしれない。ギタープレイがホント、見事で、これだけ伸び伸びとワイルドにプレイできて、しかも音外すこともなく、手癖だけに頼る事もなく個性を出しながら出来るって、どれだけの才能だろうか。若い頃から出来ていたのだから才能なのだろうなぁ…、そういうのを聴いちゃうとどんだけ自分でギター好きで弾いててもそりゃ弾けないだろ、って思う。所詮趣味で楽しみレベルとは違うわな。それにしてもこのアルバムも久々だからと言うのもあるのか、楽曲そのものは割と多彩な作風が収録されてて面白い。この人の作品は今の所駄作に当たった事がないな。



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フレ
Posted byフレ

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