Kirk Fletcher - Hold On

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Kirk Fletcher - Hold On (2018)
Hold On

 才能あるミュージシャンの元には才能あるミュージシャンが集まってくる…、仕事で言えば仕事の出来るヤツのところには仕事が集まる、というお話でもあろうが、ミュージシャンの場合はそれもありがたき事として次にどんどんと繋げていく事が出来る。当然キャラクターもあるだろうが、そのレベルでのセッション活動でウマが合えばかなり面白い事が出来ると踏んで次のプロジェクトなりバンドなりに進むと言うのは大いにあるだろう。だからバンド関連でも人脈を漁っているとなるほど、ここでこう来てあっちに行ったのか、なんてのも見えてくるし、その才能感も何となく分かるから面白い。面白いと思えるかどうかはともかくなるほどと分かる。

 Kirk Fletcherという素晴らしいギタリストがいて、この人もジョー・ボナマッサの所のバックで弾いているのを見ててきっと凄いギタリストなのだろうが、なかなか表には出てない人の一人と思ってた。先日何かでソロアルバムも出しているというのを見て、ちらりと聴いてみたのが2018年リリースの「Hold On」。この突き抜けた表情のジャケットも素晴らしいが中身がこれまた驚くほどにブッチギリに素晴らしく、ブルース一辺倒でなく、まさにコンテンポラリーにあらゆるサウンドを包括したアルバムに仕上がっている。根底にあるのはオシャレなサウンドとスタイルのプレイに始終しているから、聴きやすいしBGMにすらなってしまうレベルとも言えるくらい。ただ、ギターについてはそれでもどこでも着実に堅実にプレイされているからギタリスト的には聴き応え抜群で、がっつりと前に出て弾く時にはこういうプレイスタイル、バックに徹する時にはこんな感じ、それでも楽曲内で印象を強めるには、こういう所でキャッと締める、みたいなのがきちんと張り巡らされている。そのツボが流石にその世界でン十年もやってるプレイヤーならでは、そんな技が全てこのアルバム結集しているようだ。

 故に楽曲の良さ、素晴らしさという側面よりもバリエーション豊かな楽曲のパターンの中でギターの出し方がそれぞれ異なるし、それはこういう出し方なんだよ、みたいなのを纏め上げているアルバムにも聞こえる。Kirk Fletcher自身がボーカルも兼ねているのでしっかりと作品としてリリースしているのは分かるが、どうもそういう風に聴いてしまう。ただ、やはりブルースプレイの深さや面白さが一番しっくりくるし、弾きまくり曲でのプレイはもう圧巻。ジョー・ボナマッサはこういうプレイヤーをバックに従えながらも自身のスタイルを教えているのかと思うと、その懐の深さと才能の深さに畏怖の念を覚える。Kirk Fletcherもそういうのあったのだろうか、自身のライブにジョー・ボナマッサを招いてセッションしたりもしているからギタリスト同士良い関係性なのだろう。面白いな。





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フレ
Posted byフレ

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