Rock Candy Funk Party - We Want Groove

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Rock Candy Funk Party - We Want Groove (2013)
We Want Groove

 音楽家としての才能、プレイヤーとしての才能、アレンジャーとしての才能、プロデューサーとしての才能、音楽やロックに纏わる才能は様々な所で生かされるし発揮される。当然アートワークやファッションセンス、ステージデザインや音響という世界もあるだろう。それぞれの才能が秀でていてもシーンで目立つ存在やずば抜けて名前が売れる存在になる事は多くもない。人はそれぞれ凡人でありながら何らかの才能を何かと引き換えにしている。ミュージシャンはそれが凄く極端でもあるし、才能があればあるほどその他の事に疎くなる傾向もあろう。だからこそのドラッグへの依存も隣り合わせにある恐怖。なかなか痺れる話だが、生きるバランスと自分自身の才能とのバランスを上手く使い分けている人の一人にジョー・ボナマッサがいる。いや、最近ずっとお気に入りなのでね。

 Joe Bonamassaが参加したプロジェクトと言うので聴いてみたRock Candy Funk Partyの2011年リリースのファーストアルバム「We Want Groove」。バンドのジャンル的にはソウルファンクフュージョンになるので、文字通りそこにロックブルースを入れているのがジョー・ボナマッサの役割。なるほど、聴いているとこれはもうそのままに全てをミックスして出しているからそれ以上でもそれ以下でもなく、バンド名=バンドスタイル。ただ、ジョー・ボナマッサが参加した事でロック的ブルース的ギターエッセンスが強まったのは事実だろう。普通にこの手のサウンドをプレイするギタリストの華麗なギタープレイとはひと味もふた味も異なる個性を持ったジョー・ボナマッサのギタープレイは確実にこのバンドの幅を広げている。ともすれば上手いだけ、になりがちなプレイに現代ブルースで培った魂スタイルが入り込んでくるから味わい深くなる。そこを見越しての勧誘、加入だったと思われるが。

 バンドメンバーはぱっと見は地味で名も知れぬ人たちばかりに思えるが、全員プロ中のプロミュージシャンばかりで、有名な所では鍵盤奏者のRenato NetoはプリンスのNPGの鍵盤奏者でもあって、その後にこのプロジェクトに参加しているし、ドラマーのTal BergmanはRock Candy Funk Partyの創設者でもあり、仕事としてジョー・ボナマッサの所でドラムを叩いていたのでその縁で本プロジェクトにジョーを誘ったのだろう。好奇心旺盛なジョー的にはそりゃ参加するだろうな。アルバム聴いてても普通に凄く上手いバンドで洗練されててオシャレだなと思うのに、そこにジョー・ボナマッサのギターがいつもとは異なるプレイスタイルで入ってくるのはなかなかユニーク。ジョー・ボナマッサもオシャレで綺麗なギターを弾く方だが、こういう洗練されたサウンドの中で聴くと、随分と人間臭いなと実感する。やはりブルースの血は心の奥底から出てしまっているのだろう。そういうアンバランスさも含めて案外と面白くてオシャレなサウンド。





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フレ
Posted byフレ

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