The Dead Weather - Horehound

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The Dead Weather - Horehound (2009)
Horehound by Dead Weather (2009-07-14)

 時代の流れだろうか、才能あるミュージシャンは常に幾つものプロジェクトを抱えてひとつのバンドのブレインには落ち着かない場合が多い。昔でもデヴィッド・ボウイがそういう位置付けにあって、自身の作品のみならずの楽曲提供やプロデュース支援、バックバンドへの参加やアーティスト同士のハブ機能になったりと才能ある人間ならではの活動が広がっていったがそれはまだ分かる範囲内。今どきのはもうバンドやユニットそのものが異なる中でアルバムリリース、ライブ活動、そしてそこからの発展などと音源が売れないが故にライブ中心の活動に於いて幅の広がる動きが多い。世界中そういうモノらしい。

 ジャック・ホワイトがラカンターズのツアー中に出来上がった動きからの新たなるプロジェクト、The Dead Weathersの2009年リリースファーストアルバム「Horehound」。ここでは天才ジャック・ホワイトがドラムに座っての活動。ボーカルにはThe KillsのVIVI嬢を配してのスタイル。これがまた不思議な事にジャック・ホワイトが全てをプレイしているテープそのままにやっているのだろうと思わざるを得ないくらいにジャック・ホワイトのガレージ世界。ギターは自分では弾いていないくせに全くジャック・ホワイトと同じフレーズ、雰囲気、音作り、リフスタイルという所からも明らかにバンドの一枚目としてのスタンスを出し切っている。一方の歌世界でも女性が歌っているからもっと綺羅びやかで、とも思いがちだが、そもそもジャック・ホワイトの歌声がとてつもなく高いキーにあって金切り声とも言えるスタイルだから、このバンドでは女性が歌いつつももっと落ち着いたムードを保っている、即ちクールなガレージスタイルのバンドという風変わりな作品が出来上がった。そこを狙ったようにも思えるし、何よりも楽しめたのはジャック・ホワイトのドラムスタイル。これがジャック・ホワイトのやりたかったドラムスタイルなら、ホワイト・ストライプスでのメグのドラムはそもそもジャック・ホワイトが狙っていたスタイルそのもので、メグが何かという話でもない。なるほど、こういうのが叩きたかった、バックで鳴っていて欲しかったドラムなのかと納得。完全なるソロアルバム作るなら全て自分好みのスタイルでプレイするのもあるだろうが、それだけでは成り立たないだろうし。

 ジャック・ホワイトはドラムしか叩いていないし、楽曲作りも全てというワケでもないらしい。それでもこれだけジャック・ホワイト流スタイルが出てきているからには皆がそこに着いて行ったのだろう。そういう人だ。今まで誰も到達していなかった世界をどんどんと切り開いて創り上げているし、これがまた面白くてユニークな世界、更にはロックらしい世界だから耳にしたらハマれる。この抜けの良さはなるほど別のプロジェクトを始めるハズだと納得。





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フレ
Posted byフレ

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