Depeche Mode - Construction Time Again

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Depeche Mode - Construction Time Again (1983)
Construction Time Again

 80年代に出て来た本物のバンド郡といわゆるエイティーズと後に呼ばれる売れ線バンド郡の違いは当時MTVでPVを見ているだけでは判別出来なかった。音を聞いていてもその差は分からなかった。じゃ、その違いは何だったか?もしかしたら何も違わなかったのかもしれない。普通にバンドとしてきちんと仕事をこなしていけたか出来なかったか、商品に成り切れたか否か、そういう話なのだろう。今回ディペッシュ・モードのPVを見ててもDuran DuranやTears for Fearsとの違いは分からない。同じような路線だろ、と思えるし見ててもそういうルックスとファッションだ。それが後には伝説的な、そしてインダストリアルデジタルポップの英雄バンドに君臨して今でも慕われている始末。不思議だ。

 そのDepeche Modeの1983年リリースの3枚目のアルバム「Construction Time Again」。正にエイティーズど真ん中のリリースなので、PVも作られてる。見れば言わんとしている事を理解してもらえるだろう。PVのイメージは重要だ。そこを無視してアルバムを聴くだけならば、こういったサウンドの新鮮さは素直に伝わってくる。ただ、他にもこういう音を出してたバンドはチャートにいたような気もするし、それがディペッシュ・モードだったかどうか定かな記憶ではない。多分、そうだったのだろう。リアルタイムではまるで好まない音だったので記憶から排除されているし、そこまで探求してなかったから。今になって聴いてみれば時代はあるものの、革新的な取り組みをしているのは分かる。それが面白いか、というレベルにはまだ到達できていないが、これもロックの在り方。

 陰鬱なボーカルにひたすら鍵盤サウンド、ノリという次元を一切排除したリズムとしてのドラム、タム回しすら最小限で、それよりもシモンズ的なパーカッシブな音が鳴らされる方が多い。ベースはゴリゴリ的で自己主張は強いがフレーズ自体はそこまでのものではない。ロックという世界よりも知性あるバンドに聞こえる。本作のサウンドスタイルはインダストリアルを混ぜ合わせているから単調にすら聞こえるが、出そうとしているパッションは相当に高く熱いものだろう。そこに惹かれるとパンクと同じ香りが理解できる。聴いてるとついついのめり込んでいっちゃうのが不思議。そうしていつしかディペッシュ・モードを何枚も聴いている…。





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フレ
Posted byフレ

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