Box of Frogs - Strange Land

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Box of Frogs - Strange Land (1986)
Strange Land

 60年代と80年代、たった20年程度の時代の流れしかなし。2000年と2019年程度の事だ。そう考えるとそこまで時間軸に古さやズレを感じる事もないのだろうが、実際はその密度が異なるからまるで異なる。古い方が密度が濃いのも不思議な話だが、密度と云うよりも過度期で勢いがあったから、と云う方が似合うか。その狭間にある70年代はだからこそ面白いと自分では思ってる。そして今回のお話は60年代末期頃に活躍したバンドの再生時のお話。

 Box of Frogsの2枚目の作品は1986年に「Strange Land」としてリリースされている。主要メンバーはジム・マッカーティ、ポール・サミュエル・スミス、クリス・ドレヤ、と来ればお分かりのように、The Yardbirdsの残党達による新バンド。そこにジミー・ペイジやロリー・ギャラガー、ロジャー・チャップマン、イアン・デューリーが参加しているので名前だけ見れば素晴らしい世界が広がりそうなお話。ちなみにファーストアルバムではベックが参加してるからモロにヤードバーズなイメージ。ところが元々がアートスクール仲間=新しいモノ好きという傾向もあるのか、80年代にアルバム制作をしてみたら新しいモノを取り込みたくて、という思想が働いたのか、今聴くとどうにもチープ過ぎる例のドラムの音やスカスカなサウンドで録音されているので、どうにも面白味の無い作品になってしまってる。それでも楽曲が良ければ救いようもあるが、そこまでの曲作りをするメンツも揃わず、完全に時代とズレまくった音を出してて、ロックファンからは無視されているアルバム。

 ゲスト陣営のプレイは個々人それぞれ力量を発揮しているが、それも楽曲の面白味の無さに負けているか。良いプレイしてるのに、それが目立たないと云う…。セルフカバーの「Heartfull of Soul」もどうにも、というアレンジになってるからロリー・ギャラガーのソロも生きてこないし、しかも歌はロジャー・チャップマンなのに…。「Asylum」ではジミー・ペイジとジョン・フィドラーなのに、これはもうミックスの悪さと曲の単調さが全てを潰している。ただ、どれもこれも英国ロックだな、というのは確実にあるので、やはり時代に於けるアレンジの差が魅力を半減させているのだろう。話題性だけでは生き残れないのは当然ながら、時代の不運さもあってこの再編成は2枚で満了。久々に聞き直したが、やはり面白味に欠けるアルバムだった。





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フレ
Posted byフレ

Comments 2

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アーリーバード  
こんにちは

ジムマッカーティがこんなバンドを組んでいた事は
全然知りませんでした。
86年はSTAIRWAYと重なるので並行して活動していた
のでしょうね。
STAIRWAYはコンプリート・ジェーンレルフで数曲聴き
ましたがヒーリングミュージックだと感じました。
試行錯誤の時期だったんでしょうね。

マッカーティ氏の2018年の新譜はアコースティック主体
ですか随所にイギリスらしくて良さげでした。
ルネッサンス50周年北米ツアー続行中かもしれませんが
先月から行われておりゲストはジムマッカーティです。
ブルーレイで発売するそうです。
ハズラム姫とマッカーティ氏の共演視たいです。

PS.消ゆる風を先日購入しました。
内容があまりに素晴らしく感動感動の嵐でした。 
小生のなかでルネッサンス5指に入れたいです。
ハズラム姫お見事です。

2019/11/03 (Sun) 15:58 | EDIT | REPLY |   
フレ
フレ  
>アーリーバードさん

今の時代だともっとあの世界が拡張されている作品やバンドも多いので面白いですよ。70年代の熱気には敵いませんが…。

2019/11/10 (Sun) 22:20 | EDIT | REPLY |   

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