Genesis - Seconds Out

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Genesis - Seconds Out (1977)
Seconds Out

 フィル・コリンズの音楽的な幅の広さと才能の豊かさはBrand Xのドラマーの座も含め、当然ながらジェネシスのドラマーでもあったが、この70年後半にはボーカリストとソングライターとしてもジェネシスで機能していて、惜しむ事なくその才能を発揮しまくって仕事していた時期。Brand Xではドラムそのものに集中していれば良かったが、ジェネシスではドラム叩きながら歌わないといけないハメになってて、そりゃ難しいだろうとの事から1977年ツアーあたりではドラムにチェスター・トンプソンを迎えてライブを行っていた。フィル・コリンズもちょこちょことドラム叩いていたので、ツインドラムバンドにもなっていた点がこの頃のジェネシスの見どころ聞き所となる。

 その模様が聴けるライブアルバムが1977年にリリースされた「Seconds Out」。更に一曲はドラムにビル・ブラッフォードを迎えての10分強の大作「The Cinema Show」でチェスター・トンプソンとは異なる、正にビル・ブラッフォードらしいパーカッション的なドラミングとフィル・コリンズの躍動感溢れるドラムが鳴っていて、あまり聴ける事のないツインドラムの迫力を楽しめる。両人共プログレ界を代表するドラマーで、そのテクニックには定評あるから、そんな二人がこうして共演している事にまず驚くし、それがこの時代に既にリリースされていたと言うのもまた楽しめる。いやはや素晴らしいライブアルバム。そもそもチェスター・トンプソンとのダブルドラムですらその迫力が楽しめるものなのに、ブラッフォードとの共演まであって、それが名前はともかくとして、音を聴いているだけでも十二分に楽しめる迫力なのだから言う事なし。

 そもそもジェネシスのライブ、しかも古い曲も新しい曲も関係なしにこの頃のメンツでライブやりまくってて、ピーガブの歌からフィル・コリンズへとチェンジしているものの、それも今じゃ何も悪くないスタイル。見事にバンドの危機をメンバー全員で乗り切っている証。そして驚く事にここで聴けるフィル・コリンズの歌はピーガブ時代と比較しても特に見劣りする事なくバンドの看板役を勤め上げている。これまで自分的にジェネシスはさほど好みじゃなかったが、歳を取る毎にそれなりに聴けるようになってきてる。ファンタジックさが分かってきたのかもしれないが、この柔軟性が聴きやすくて良いな、とも思うからこれから聴いていける気がしてる。昔じゃ考えられなかった進歩だ。このライブアルバム聴いててその面白さを実感してて、そうか、やはり深みがあるサウンドだな、と認識。ライブが良いのかもしれないね。素晴らしい。





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フレ
Posted byフレ

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