Brand X - Livestock

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Brand X - Livestock (1977)
Livestock by BRAND X (2012-08-10)

 英国ジャズ・ロックとして名高いバンドのひとつでもあり、フィル・コリンズ在籍も話題のひとつとなっていたBrand Xは、割と安定的な活動を行っていたし、アメリカでフュージョンが出て来た頃に英国のフュージョンバンド的な位置できちんとシーンに存在していた。さすがにフィル・コリンズがジェネシスで忙しくなってくると脱退してしまったが、このバンド的には話題性に欠ける事になった程度でドラムとしては新たな血を入れての活動で頑張っていた。主役はパーシー・ジョーンズのベース…ではなく、ジョン・グッドソールのギターのハズだ。楽曲によって異なるが、バンドアンサンブルが見事なのでついついアルバム丸ごと聞き入ってしまうバンド。

 Brand Xの1977年リリースのライブアルバム「Livestock」。初期二枚作品から選曲、と言いたいところだが、全5曲中2曲は未発表曲と言うから面白い。ライブで曲を鍛え上げていたバンドだったのか、セッション活動から生まれてきた作品が多かったのか、バンドが上り調子にあった証明でもある。緻密な音色の組み合わせにそれぞれが絡み、緊張感を高めたライブを眼の前で聴いているかのような作品。やはりパーシー・ジョーンズのベースが凄い。ドラムもギターも素晴らしいが、フィル・コリンズのドラムはロールするってのかな、躍動感による表現力が実に豊か。この手のバンドのドラムは割とかっちりタイトに、というタイプが多い気もするが、フィル・コリンズやロバート・ワイアットは躍動感ある柔軟性の高いドラムを聴かせてくれる。抑揚溢れる、と言うのかな。面白いのはパーシー・ジョーンズのベースが妙にクールだからその組み合わせの妙も味わえる点。

 ジャケットはどっからどう見ても、そして誰が見てもヒプノシスって分かるでしょ。ライブアルバムという印象をまるで与えない、ひとつの作品として見てしまう摩訶不思議なアート。その中にこんなに素敵で軽快でクールなインストジャズ・ロックサウンドが収められているなんて、普通は思わないだろう。爽やかではないフュージョン、クールなフュージョン、テクニカルなフュージョン、それも実はロックバンド、という不思議を表現するのには良いアートか。



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フレ
Posted byフレ

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アーリーバード  
こんばんは

管理人さまはじめまして。
小生は60歳手前のブリティッシュ出戻りの超おっさんです。
LPはとっくの昔に処分して音楽から離れた生活をしてました。
出戻りのきっかけは去年ソニーミュージックから復刻された
2タイトルの故レスリーダンカンでした。
実は今年2月に大病を患い入院そしてリハビリをして
年内中に復職します。
休職中の友として一挙にイギリス物のCDが増えました。
これからも管理人さまのブログを参考にさせてもらいます。
どうか宜しくお願いします。誤字のため再送します。

2019/10/26 (Sat) 20:48 | EDIT | REPLY |   
アーリーバード  
追伸です

最近の愛聴盤はコンプリート ジェーンレルフです。
かの歌姫の2枚組みのベスト盤にどっぷりです。

2019/10/26 (Sat) 21:00 | EDIT | REPLY |   
アーリーバード  
続投お許しください

本日リハビリをかねて神戸市内の某中古屋さんに
行ってきました。
偶然にも本稿の"Livestock"イギリス盤オリジナルが
壁面に鎮座してました。
LPサイズのヒプノシスは圧倒的なインパクトでした。
ジャズロックは苦手でほとんど聴かないし知らないのですが
もしプレーヤーを持っていたら思わずジャケ買いをしたと
思います。

2019/10/27 (Sun) 20:08 | EDIT | REPLY |   
フレ
フレ  
>アーリーバードさん

ロック復帰組、嬉しいですね。
人生色々ありますが、何のお役に立てる事も無い中、こんな稚拙なブログで心休まれば幸いです。
「コンプリート ジェーンレルフ」…、これ、良さげですね。ちょっとまたどこかで聴いてみます。

「Livestock」のUkオリジナルですが…、ヒプノシスジャケ綺麗だろうなぁ…。
今からでも面白いのはやはり何でも聴いてみる事、ですよ。
昔はダメだったのが今なら普通に聴けたりしますからね。

またよろしくお願いします。

2019/10/29 (Tue) 22:48 | EDIT | REPLY |   

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