Hugh Hopper - Hopper Tunity Box

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Hugh Hopper - Hopper Tunity Box (1977)
ホッパー・チューニティ・ボックス

 1977年ってポップもロックもブラコンの世界も色々と出てきた頃だし、ロックの王道バンドは正にキングダムを名乗れていた頃で、中身の濃い時期だった。そんな中、オールドタイムな音楽シーンの端っこに居た偉大なる才能のベーシストがソロアルバムをリリース。元々ソフト・マシーンのローディもやっててそのままソフツのベーシストになり、そのジャズとロックと不思議な組み合わせのベーシストの才能が光り輝いてシーンで重要な役目を果たすベーシストになっていったヒュー・ホッパー。ソフツ時代からこの人のベースのおかげでロック感が保たれていた部分はある。

 1977年リリースのセカンドソロ名義アルバム「Hopper Tunity Box」。アイソトープや仲間とのセッション活動の後、同じ連中を集めてのソロ作品はかなりロックに寄った作風の楽曲が揃ってて、ゲスト参加のメンツも素晴らしく、その筋では話題にもなった事だろう。自分的にはデイヴ・スチュワートの参加が嬉しいが、アルバムを聴いていると、どの曲でもソロイスト達がしっかりとジャジーで目立つサウンドを出してて、ギターにしても管楽器系にしても美しき音色が冴え渡るので心地良い。冒頭から得意のファズベースでモコモコと始まりジャジーなセッション、この頃にはフュージョンの世界も出てきていたので、そういう雰囲気にも進むかと思ったがそうはならずあくまでもオールドタイムなジャズとロックの融合によるサウンドが中心。

 この頃こんな渋い作品をリリースできた人ってあまり居ないだろう。どう聴いても商業路線にないから、レーベルとの契約も少々苦労したらしいが、やってるメンツからすれば芸術作品として、また英国ジャズ・ロックとしてリリースされて良かった。しかし、エルトン・ディーンのサックスは素晴らしい。案外ドラムのナイジェル・モリスがカッコ良く叩いてくれてて、ジャズもロックも良い雰囲気で面白い。少々身構えながら聴いていると、軽快とは云わないが、数々の英国ジャズ的な作風よりはもっと軽め、ロック的になってるから聴きやすい。こういうの良いなぁ…と思えてくるのだからこの人達のサウンドの深さを実感する。昔はもっとフリージャズ的で聴くのに気合が必要だった気がしたけど、そういえばよくジャケットはアチコチで見かけたがなかなか買わなかったアルバムというのも思い出した。うん、聴いてみるべきですね。



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フレ
Posted byフレ

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