Paco De Lucia, Al Di Meola & John Mclaughin - Passion, Grace & Fire

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Paco De Lucia, Al Di Meola & John Mclaughin - Passion, Grace & Fire (1983)
パッション、グレイス&ファイア〜情炎

 星の数ほどのギタリストがいる中、個性を際立たせるには並大抵の努力じゃ難しい。似たような傾向のギタリスト達もいるから、そこでの個性をそれなりに知らない人達にも分かるように際立たせるって意味だからね。今回もスパニッシュの名手が揃いも揃っている中で、3人のギタリストが共演している。面白い事にそこまでそれぞれの個性を知り尽くしてもいない自分が聴いていても、何となく、これは誰だ、ってのが想像付く。それはそれぞれが強烈な圧倒的インパクトを持ったギタープレイの主だからだ。パコ・デ・ルシアの見事なまでに情熱的なスパニッシュギターが圧倒的に存在感を放っているし、マクラフリンはエレクトリックの旋律を綺麗に縫っていき、アル・ディ・メオラはアコースティックギターを駆使しまくる、そんな様相が聴いて取れる1983年リリースのこのトリオの二枚目のアルバムとなる「Passion, Grace & Fire」。

 1981年にリリースされたファーストアルバム「Friday Night in San Francisco - Live」はそもそもライブ盤で、強烈な印象を残したギター弾きまくり白熱ライブ音源が聴ける作品で、正に金字塔とも言える作品。そこから2年後にリリースされたこの2枚目のアルバム「Passion, Grace & Fire」はスタジオ録音作品なので、あそこまで緊張感溢れる作品にはなっていないが、その分落ち着いて作品に取り組んでいる個性際立つ作風に仕上がってる。相変わらずのギタープレイで凄まじさはまるで変わらず、どころか泊を増しているのかもしれない。こういうのはどうやって演奏を仕上げていくのかね。やはり譜面に落としてプレイしていく事は想像できるが、それだけで出来るモンでもなかろう、とは素人の発想か。当然ながら全編インストのスパニッシュ風作品によるギタリストの競演が聞き所だが、パコ・デ・ルシア主導のようにも聞こえるし、アル・ディ・メオラかもしれない。それにしても強烈なプレイスタイルと楽曲。

 本格的にギターを弾きたいって人くらいしかこのアルバムを真剣にフルで覚えるまで聴くって人はいないと思うくらいに凄まじい。普通にBGMにはならないから楽器やってる人中心に聴かれるのだろう。スパニッシュ、フュージョン系を好む人も当然聴くだろうが、骨格がどうなってるのか分解するような人じゃなきゃそこまで聴き込めないんじゃないかと。勝手な想像だが、自分は所詮ロック上がりだから、この凄さは理解するものの途中で飽きてきてしまって真面目に全編を覚えるまで聴き込む事も出来なかった。それでもこのアルバムの鬼気迫る凄さは存分過ぎるくらいには聴けている。



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フレ
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