Bruce Springsteen - Born In the U.S.A.


ブルース・スプリングスティーン「ボーン・イン・ザ・U.S.A.」
いやぁ、リュウさんトコでこれ書いているのを見かけて、完全に自分の記憶から消え去っていたことを思い出してえらく懐かしくてさ。個人的に言ってしまえば取り立ててこのアルバムに影響されたとかもの凄く好きだとか言うのは実は全くない。どっちかっつうと斜に構えていた時代だったのでなんか暑苦しくていやだねぇ…みたいな部分もあったんだよな。もちろんその心の叫びっつうのはわかっちゃいたんだけど素直に認められないことこそがスタイル、みたいな感じでさ(笑)。まぁ、いいじゃないか、若かりし頃は色々と突っ張るもんなんだよ。良いモノを良いと言わずに自分のロックを探す、ってところだな。格好良く言えば、だけど(笑)。
で、当然ながらアルバムをまとめて聴いたことはない、と思う。いや、あると思うけど全部覚えてないし今持ってないからさ。ただ、当然ながらタイトル曲のインパクトっつうか、これは世界を制した一曲だし、これこそアメリカの象徴!っていうかっこよさはあったよなぁ。それをボスのあのむさ苦しい…という否定的な言い方ではなく肯定的に書くと、魂を込めた全身全霊で熱い心を訴える叫びの歌は万人モノ心に訴えかけるモノがあったのだと思う。否定的な自分ですら陰では聴いていたし、興味のない人でもやっぱりそういう部分はあったと思うし、それこそが人間だと思うから。だから凄い売れたんだろうな。好みかどうかと言えば好みではないけど、きちんと伝えたいことを伝えている人だ。
実は陰ながら多数のアルバムを聴いていた。初期のモノからこの後のライブ集大成の作品あたりまで、それからアンプラグドやNYテロ後にその想いを込めて作られたという「The Rising」など割と聴いているんだよね。でも自分的にスプリングスティーンが好きだ、という話はまずしない。なんでだろうね。かっこつけかな(笑)。いや、そういうんでもないけど、まだ分かってない部分が多いからかなぁ。…でさ、結構聴いてて思うんだけど、この「ボーン・イン・ザ・U.S.A.」っつうアルバムって前作までのスプリングスティーンの作風からは大きく逸脱しているような気がする。もっと生々しく歌っていた作品が多かったのがやっぱり80年代の特徴か煌びやかさが出てきているからかもしれない。それは多分アレンジや音とのものの話でスプリングスティーンの曲や歌は変わっていないんだけどさ。
大爆発して売れた曲、そして随分してからこの歌詞が実に意味深なもので寂しさを歌っていたものなのだってことをきちんと認識した。それを単なるヒット曲、で片付けてはいけない、それくらいの重みがある歌だったんだなぁと。やっぱりこういうのもあるからPVで流す時なんてのは字幕テロップがあったりする方が良いのかねぇ。かなり感動する歌詞です、はい。
Born In The U.S.A. / Bruce Springsteen (1984)
生み落とされたのは 死人のような街さ
最初に喰らった蹴りは 歩けるようになった瞬間さ
最後には打ちのめされた犬のようになるんだ
そして人生の大半を送る 身を隠すようにしながら
生まれたんだ アメリカで
俺は 生まれたんだ アメリカで
俺は 生まれたんだ アメリカで
生まれたんだ アメリカで
ちっぽけなこの街で揉め事をおこした
そしたら奴らは俺の手にライフルを持たせた
俺を外国へと送り込んだ
そこに行って黄色い奴らを殺すためさ
生まれたんだ アメリカで
俺は 生まれたんだ アメリカで
俺は 生まれたんだ アメリカで
俺は 生まれたんだ アメリカで
帰国して 製油所に行き
採用係が言う 「お兄さん、私に権限さえあれば...」
引き下がって 復員軍人庁の担当者に会った
言われたよ 「お兄さん、分からないかな?」
俺には兄貴がいて ケ・サンで
戦ってたよ ベトコンと
奴らはまだそこにいるが 兄貴はもうどこにもいないよ
兄貴には好きな女がサイゴンにいたよ
彼女の腕に抱かれる写真1枚さ、もう
刑務所の影に押さえつけられ
製油所のガスの炎から弾かれて
俺は10年路上で燻っていたよ
どこへも逃げられないってのは、どこにも行き場がないって事
生まれたんだ アメリカで
俺は 生まれたんだ アメリカで
生まれたんだ アメリカで
俺はすっかりダメなオヤジさ アメリカで
生まれたんだ アメリカで
生まれたんだ アメリカで
生まれたんだ アメリカで
俺はイカしたロック・オヤジさ アメリカで
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