Clarence “Gatemouth” Brown - Gate Swings

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Clarence “Gatemouth” Brown - Gate Swings (1997)
Gate Swings

 自分が認識しているファイヤーバードはいわゆるリバースタイプのもので、世間的にもそちらの方が認知度高いらしいが、最初に生産された際にはノンリバースモデルだった。どういう理由かは分からないが、いつしかリバースモデルが普及して、その方が人気を博したからスタンダートになっていったのだろう。生産数も全然少ないらしく、ヴィンテージの中でも希少度が高いギターとして知られている。そのノンリバースモデルをずっと使い続けて知られているギタリストというこれまた稀少な人もいて、なるほどあの音か、と頭の中で響いたモノの、あまりにもロック的な使い方ではないからイマイチその音にピンと来ないのも事実…。

 これまた幸運に恵まれなかったブルースメン、Clarence “Gatemouth” Brownその人だ。何故にって、B.B.Kingあたりと同じくらいのキャリアなのに世に知られ始めたのは70年代になってからという不遇。そういうブルースメンって割と多くいるので、それはそれで熾烈な個性争いでもあったのかもしれん。この人の場合はブルースというカテゴリに留まらず、カントリーやケイジャン、更にはジャズスウィングあたりも取り込んでのアメリカンミュージック包括プレイヤーを目指していたかららしい。ある種マイク・ブルームフィールドと同じ事考えてギター弾いてたって事だ。そこで腐ることなくしっかりと世に出てきてその路線をやり続けていったから見事なもの。本日ご紹介の「Gate Swings」というアルバムは驚くなかれ、1997年、Clarence “Gatemouth” Brownが73歳で録音したスウィングアルバムだ。ギブソン社が推薦するファイヤーバード使いって所で推薦されてたのがこのアルバムなので、何のためらいもなく聴いているが、あまりにもナチュラルなギターの音で、ファイヤーバードって云われてもな…ってのが正直な所。

 歪んだロックの音じゃなくて、ペケペケなサウンドがソロだけ入ってきてるので、正にジャズスウィングの世界でのギタープレイがひたすら繰り広げられている。これで73歳か?どんなギタープレイヤーだ、と舌を巻くと云うか、確かにこれはもうブルースメンという世界を超越しているし、そうは言えないギタープレイヤー、アレンジャー。音楽の才能が素晴らしい人だったのは聴いて一発。普通に聴いてて面白い。BGM的になってしまうが、それでもこういうふうにギター入れるのか、とユニークな取り組みを味わえる。なるほど、ファイヤーバードと云う繋がりで来ているが、ギターの可能性はこういうジャンルにも入っていける所。面白い。



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フレ
Posted byフレ

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