Johnny Winter - Still Alive And Well

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Johnny Winter - Still Alive And Well (1973)
スティル・アライヴ・アンド・ウェル(期間生産限定盤)

 最近またしてもギターが面白いと感じてて、今回はギターそのものの音の質感の違いを楽しんでる。今時のギタリストだとどんなギター使ってても結局デジタル処理の段階で音が変わってしまったりするし、そもそもエフェクターが凄く並べられてたりするからギター本来の音の質感と言うのはなかなか出しにくくなってるんじゃないかと。ある程度はギターそのものの音は出ているだろうと思うが、やっぱりそれをダイレクトに出したければ最小限のエフェクト類にしてアンプ側で歪ませる方が良いと思ってる。それでもアンプによって音そのものは変化するからギターそのものの音を堪能するにはその幾つかを味わってみてから、になるか。なかなかギターそのものの音を味わうって難しいしカネ掛かるが、レコードやライブを見て味わうというのも一興で、自分は当然そっちで楽しんでる。

 ファイアーバードの音がここまでストレートに聴けるアルバムはそうそう見当たらないだろうというJohnny Winterの1973年リリースの5枚目のアルバム「Still Alive And Well」。冒頭からしてこの音なのか、ってくらいのちょいと変わった、他のアルバムではなかなかここまでの音を聞く機会も多くない独特の質感。これぞファイアーバードにマーシャル?の音なのか。フライングVに近い気がするがそれでももうちょいと粒の粗い質感でなるほど、ボディの薄さはこういう音として出て来るのか、と納得。弾きやすそうな音してるな…、と気になるとファイアーバードが欲しくなるから困る。こういうのってすぐ買いたくなるし試したくなるからね、ダメです、それは。アルバムに話を戻すと、100万ドルのブルースメンとして出てきたジョニー・ウィンターだったが、キャリアを重ねるに連れて、また時代の流れにも呑まれながらどんどんとハードブルース化、ハードロック化していって、ANDの時代を経てみれば今度はファイアーバードを歪ませてのハードロック、ハードブルース・ロック、とも言わんばかりの作品を出してきた。

 その代表格が一発目の「Rock Me Baby」で、あの有名曲のカバーです。それがこんだけのハードブルース・ロックバージョンになってて、ストーンズのカバー曲でも同じく独自のスタイルでのハードブルース・ロックバージョンに仕上げている。正にこういうロック、ブルース・ロックが聴きたかった、ってのばかりが入ってるので今の時代であろうとも全く強烈なインパクトを放つアルバム。ジャケットのイマイチさがマイナスポイントではあるが、中身は多分最強のプレイ、ロックが詰め込まれているので是非取り組むべし。ブルース・ロック好きならジョニー・ウィンターはほぼ網羅してるとは思うが、改めてこのあたりの作品も聴き直してみて、ギターの音の味わいとそれを活かした楽曲のプレイに脱帽。単純にブルースメンという人ではなくてこの時代はハードロックブルースメンとしてロック界に君臨、そして唯一無二の世界に存在していた独特の人。素晴らしいアルバムだ。





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フレ
Posted byフレ

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