Michael Bloomfield - Between The Hard Place & The Ground

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Michael Bloomfield - Between The Hard Place & The Ground (1979)
Between The Hard Place & The Ground / Cruisin' For Bruisin'

 ブルースと一言で言っても実に様々だ。ブルースと云う一つのカテゴリで考えてみれば判るが、それはロックというカテゴリと同じ様に多種類のサウンドを包括している。だから純粋にブルースギターを奏でているものからハープもあるし、ジャズやファンクやソウルあたりと密着したサウンドもある。カントリーやゴスペルあたりもくっついてくるし、それこそポップやロックも入ってくるからブルース、ってどういうのを指すんだ、という話になる。根本的にはああいう音使いをする音楽ジャンル、となるのだろうが、それも曖昧で、結局は発信側のスタンスがそのまま市場で認知されればそれがジャンルの名になる、というトコだ。

 Michael Bloomfieldという天才ギタリストは60年代から70年代初頭までは正にギターヒーローとして君臨しており、それこそクラプトンレベルからも敬愛される程のブルースへの取り組みに対する熱意は素晴らしいものだった人。そこに留まらず、アメリカンミュージックを探求したいという音楽伝導士的な思考も持っていた事から実に多彩で器用なギタープレイをアルバムで残している。それが故に70年代過ぎた頃辺りからの作品は、自分的にはあまり好みではない方にあって聞く機会は少なかった。特にTakomaレーベル時代はブルームフィールドが一人で録音するようなスタイルが多く、アコースティック的でもあったから地味に映ってしまって、悲しくも残念でアルバムは買ってたけどそのまま…って感じ。今回はその中から一筋の光が差し込むような作品となった1981年リリースのライブアルバム「Between The Hard Place & The Ground」を。

 1981年だからもう他界した後か。発掘ライブ盤に近しいのかもしれないが、この頃地元でちょこちょことライブやったりする程度だったマイク・ブルームフィールドはアコースティックでアルバムをリリースしながらもライブでは普通にエレキでブルースギターを含めてプレイしていた。その中からほとんど末期に近くなっている1979年の幾つかのショウから寄せ集めたライブ盤が本作。あの白熱したプレイとは少々異なるが、やっぱりマイク・ブルームフィールドだな、という音でブルースから発展したようなプレイを聴かせてくれる。その意味では随分と興味深いプレイが聴けるのはあるが、一方では全編ボーカルも兼ねているので、ある種昔のブルースメンと同様にワンマンプレイスタイルになっているようだ。それでもじっくりと聴き応えのあるギタープレイが久々に聴ける快作なので、あまり取沙汰される事のないアルバムながらも楽しめる逸品。

 いいねぇ、こういうプレイを求めてたよ、と思わず手を叩いてしまうくらいのプレイも収録されてて、それこそブルームフィールドの手癖バッチリのフレーズだらけなので段々燃えてくる。やはり天才的なプレイスタイルだなぁ、なんてマジマジと実感してるもん。これまでこの時代をあまり真面目に追求しなかったのは失敗だった。ちょっともっと聴く回数を増やして楽しまないと勿体無い。そんな素晴らしきライブ・アルバム。



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フレ
Posted byフレ

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