Stud - September

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Stud - September (1972)
セプテンバー(紙ジャケット仕様)

 ロリー・ギャラガーが組んでたTasteというバンドが解体した後、ロリー・ギャラガーはソロ活動へ移行して実績を積み上げていったが、残されたリズム隊の方も実はそれなりに活動していて、なかなかのバンドを組んで良いサウンドを出していた事は好きな英国ロックファン程度にしか知られていないかもしれない。Studというバンドがそれで、ギターに、Blossom Toesのジム・クリーガンを迎えてのバンド、そこにこの後Familyでも才覚を発揮するジョン・ウェイダーが参加して、意外や意外の傑作アルバムをリリースしている。ファースト「STUD」ではウェイダーは参加が間に合わず、ゲスト扱いでの登場だが、セカンドの「September」ではしっかりとフロントを担っている。

 1972年にリリースされた2枚目のアルバム「September」。この後ライブアルバムがリリースされるが、それでおしまい。可能性を秘めていただけに残念な解散になるが、その分ジム・クリーガンはロッドと一緒にやる機会を得たし、ジョン・ウェイダーはファミリーに参加していくのでそういうミュージシャン達はしっかりとどうあってもメシ食えて行けるのだ。残党は…、色々あるがまずはこのアルバム。冒頭からジョン・ウェイダーのフィドルが光るし、アルバム全編でこのフィドルがものすごい味付けとして、メインな旋律として活躍していて、いきなり重要なフロントマンとして機能している姿を聴ける。対するジム・クリーガンも楽曲面での才覚を思い切り発揮してて、害の無い名曲が多い。誰が聴いても良い曲だな、綺麗な曲だ、と思うような作風で落ち着いたスワンピーな香りが漂う作品。

 ファーストアルバムはもっとブルージーな面が強かった気がするが、セカンドの本作ではそこからは脱却して牧歌的とでも言うのか、聴かせる作風に仕上がっててロックらしさが薄れて一般化してきてる。その分売れれば良かったのだろうが、そうも行かず、輝かしいアルバムを残しただけで終わってしまうが。アルバムジャケットも見開きで見ると、なるほどそういう事かとようやく分かる仕掛け。馬ジャケに駄作はない、とは誰が言ったか、確かにその通りに本作もかなり秀逸な英国ロックアルバムで、多々可能性を秘めている作品。



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フレ
Posted byフレ

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