Bob Dylan - Bootleg Series Vol.5

Bob Dylan - Bootleg Series Vol.5 (2002)


　ヤバい。こんなにカッコ良かったのか、初めて知った。ディランの1975年の有名なThe Rolling Thunder Review Tourのライブ音源「Bootleg Series Vol.5」を聴いて、とにかくそう震撼している。ミック・ロンソンが参加したディランのライブツアーって何だっけ？って調べてて、あぁ、そうそうこれだ、ってのがこのThe Rolling Thunder Review Tourで、大してディランに興味の無い自分ですらこのツアー名は知っていたし、普通ツアー名なんて知らないでしょ。それが知ってたって事はそれだけ話題性に富んでいるって事だ。それはミック・ロンソン参加の、という意味ではなくて、ライブそのものの迫力が飛び火しての話題性から知っていたのだろうから、どれだけのモノだ、と。

　そこで探し当ててみたのが「Bootleg Series Vol.5」。2002年頃にようやくリリースされたライブ音源の集約盤、今では更に拡張盤として「Rolling Thunder Review Box Set」ってのもリリースされたばかりで14枚組というボリュームであっても多分リスナーは足りない、熱望していたライブツアーという事なのだろう、気持ちは分かるし、その熱意も理解する。なるほど、そこまでディランファンには切望されていたツアー音源なのか、と知れば知るほどにその偉大さと云うかパワフルさ、貴重さを理解してきて、そこに参加していたミック・ロンソンの価値、タイミングの良さをシミジミと実感している。そういう時にこのロックギタリストが参加したのか…と。

　そして「Bootleg Series Vol.5」を聴いてみるとこれが凄い。ホントに凄く白熱したライブ、正にロックだ、これ、ってくらいの熱いライブをディランが繰り広げていて、そこで確かにミック・ロンソンらしいギタープレイが出て来る時に思い切り出て来るというライブで、ディランの凄さの前では単なる脇役にしかならないのはしょうがないが、しっかりと自己主張出来ているし、役割も果たせている。素晴らしい。さほどディランを知らない自分でも知った曲が並んでいるし、聞き覚えのある曲も多い。それだけ知られている曲が多いという事だろう、更にこの迫力、何だこれ、ホント凄い。ちょっと裏でディラン漁ってハマってみようかと思うくらいにカッコ良い。魂ごとぶち当たってくる感じで、受け止めるの大変だもん。ミック・ロンソン、凄い所でギター弾いてたんだ…、アメリカ人に混じって一人こんな所で大変だったろうなぁ…、こんな凄いトコでやってたらそりゃもう普通に影響受けまくるわ。

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