Mick Ronson - Just Like This

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Mick Ronson - Just Like This (1999)
Just Like This

 ミック・ロンソンのギターを聴いていると物凄く安心する、のは以前も書いた事ある気がするが、何処となくギター好きな少年がそのままロックやってる感が強いからだ。多分凄く音楽的という人でもなく、とにかくギターが好きでひたすら弾いてるだけ、それでその世界まで来ちゃった、と云うような人な気がする。だからライブ聴いてても割と外したりもズレてたりもする事多いし、そういうの親しみ持っちゃう。それでいて出してる時は見事なまでのレスポールサウンド、これもまた太い音でレスポールらしいし、そのヘンも好きだ。

 Mick Ronsonの発掘音源シリーズとして1976年〜77年にかけて録音されたと思われるスタジオ一発録音のラフテイクがそのまま流出してきたアイテム「Just Like This 」。ここまで出来てるって事は恐らくプリプロデモなのだろうと思うが、結果的には契約獲得する事なく当時は消え去った作品群。そこで他とのセッション活動に走ったというところか。今になってみればこうして陽の目を浴びているので、良かった部分あるが、確かにこの音を聴いていると、リリースされなかった理由も理解出来る。個性的な部分は特に目立たず、時代から見ても必要性のある音楽、ロックというサウンドでもなく、どこか革新的というモノでもないからミック・ロンソンというギタリストをどこまで出せているか、に興味を抱くリスナーくらいしか相手にならなかっただろう。それもこの時代だと既にSpiders From Marsから離れて何年も経っているし、知名度は全盛期ほどではないし、イアン・ハンターとの共演にしてもそれなりの活動で終息している時期だし、どうにもタイミングが合わなかった頃の作品だろう。

 それでどうか、となると、悪くはない。ギターソロがフューチャーされる曲はさすがにミック・ロンソンと言わんばかりのプレイをたっぷりと聴かせてくれているからカッコ良いのはカッコ良い。面白いのはボウイやイアン・ハンターの影響がありありと出ている所。そりゃそうだろうが、その意味ではアーティスト的な面でシーンに出て来れる事は無かったのかと。あくまでもギタリストだよ。実に微妙な立ち位置の活動で、結構悩んだんだろうと勝手に想像する。でも、ここで聴ける作品は音楽的に目新しさはないが勢いもあるし、熱意も聴けるから熱心なリスナーには魅力的な活動の記録。





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フレ
Posted byフレ

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