Tanita Tikaram - Ancient Heart

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 アメリカ音楽産業ってのはひとつ売れ始めるとゾクゾクと同じような趣向のアーティストを発掘してきてはデビューさせていくもので、もっともこの手法は50年代から同じコトの繰り返しではあるのだが…。例に漏れず、スザンナ・ヴェガのシンプルに心に訴えてくるサウンドもアメリカの音楽産業にとっては新鮮な刺激だったようで似たようなアーティストを探し出してきてはデビューさせていった。ただしアメリカの凄いところはそれが単なる模倣や、一過性のアーティストではなくしっかりと基礎から叩き込まれた音楽の才能のある人間を見つけてくるものであって、そこが今の日本の模倣図とは大きく異なる。元々素地がデカイ国だからそういうことができるのだろうが、それでも模倣と思われてデビューしてくる新人の実力の凄いことと言ったら驚くべきものだ。スザンナ・ヴェガがぶち開けた穴に続いたアーティストとしてすぐに名が挙がるのはトレイシー・チャップマンだろう。黒人のシンガーソングライターでファーストアルバムはそれこそシンプルなアコギサウンドとメッセージ色の強い歌詞で一世を風靡したものだ。また1989年のデビューとなったがアランナ・マイルズなんてのも土着的なロックを歌うオンナっていうことでアイドル路線ではなく、どちらかというとプリテンダーズ的な路線でシーンに登場してきた。これもアトランティックからのデビューってことで話題になったしそのサウンドもかなり骨太なものだった。


Tanita Tikaram - Sentimental Sentimental

 そしてもう一人、あまりメジャーには成り切れなかったが、個人的には非常に面白いと思って当時結構聴いたのがタニタ・ティカラムという女性。1988年ワーナーからファーストアルバム「Ancient Heart」をリリース。当時はあまり情報源がなくって一体何者なのかさっぱりわからなかったんだけどネットで調べてみると色々とわかった。まず、ドイツ生まれのマレーシア系インディアンを母に持つ混血のドイツ人?で12際の時にイギリスに移住、そしてイギリスからデビューして世界へ、って感じらしいね。あまり顔をはっきり見ることがなかったのは売るための戦略か、ネットで見れる顔は混血女性そのもので確かに不思議な感じの人。鋭い目が彼女の性格を物語っているのかな。それで納得したのがそのファーストアルバム「Ancient Heart」に収められている楽曲群。アイリッシュ的なセンスとトラッド的なサウンドにどこかアメリカ的と言うのか土着的な大らかなサウンドが融合していたので、昔から不思議なサウンドだなぁと思って聴いていたんだよね。いいなぁ~って思える瞬間瞬間はあるけど全てがっていう風にはならなかったのがその融合サウンドの難しいところ。ただねぇ、声と姿勢は凄く好きでさ、この人も芯の強い重みのある歌声をしていて、パティ・スミス的でもありクリッシー・ハインド的でもある、彼女たちが土着的な音楽を歌うっていう感じの声で引き込まれたね。

 セカンドアルバム「The Sweet Keeper」くらいまでは知ってたけどそれ以降は全然忘れてた。でも着々と活動していた見たいで2005年にも新作「Sentimental」をリリースしている様子で、こういう人こそ今ならロンドンのパブかどこかでふらりと気軽に見れる人なんだろうな。多分その方が格好良いだろうし、自然体の音楽をやっているのかなぁなんて思う。こういうのまで追いかけると気になるモノ多くなりすぎるんだよなぁ…。
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フレ
Posted byフレ

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