Eloy - Eloy

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Eloy - Eloy (1971)
ELOY (COLOURED VINYL) [12 inch Analog]

 英国のロックシーンが与えた影響の成果がほぼ同じような時代のドイツですぐに聴けた…、アメリカで売れた音楽がすぐに日本に輸入されて歌謡曲が作られていく、みたいなのと同じ構造だったのか。そう考えるとロックの影響ってよく分かるが、ドイツのバンドにしてみればカッコ良い英国ロックバンドに自分もなれるぜ、って勢いだもんな。そのままバンド組んで自分たちで見よう見真似で楽曲を創り上げてメンバー集めてバンドやって出てきました、って話。良いねぇ〜、夢があって。それでもそこから残っていけるかは実力と努力次第、どこの国でもそれは同じだ。

 1971年にデビューアルバム「Eloy」をリリースしたEloyというバンドのアルバムではファーストアルバムのくせにこのゴミ箱?の蓋が開く仕掛けとなっている変形アルバムが採用されてのリリース。それは凄いコストをかけて世に出してきた、みたいなトコあるから期待されていたんだろうと。その甲斐あってかEloy自体はかなり長寿のバンドとなったので、きちんとレーベルに恩返しできているようだし、そもそもドイツでは結構売れたバンドとして知られているようだ。そういうギャップもあるからこういうの漁っていくと面白い。そして肝心の楽曲だが、これがまたアルバム再生すると同時にソリッドで如何にもジャーマンな尖ったディストーションサウンドが飛び出してくる。これはもう見事に純粋な…、純粋とは言い切れないけど、シャープなプレイが楽曲を引っ張るハードロックです。珍しくアルバム全編に渡って妙な展開になる事もなく、ハードロックバンドのスタンスが貫かれている佳作。この辺りのバンドって大抵プログレ的にハード的に展開したりするからね。Eloyはハードロック軸、って決めてのスタイルみたい。まぁ、途中途中でのフラフラ感はあるので、適度に飽きなくて良いのはある。

 ジャーマンハードのスタイルを創り上げたバンドの一つで、メンバー的にはこの前後で同時代のJaneへと移っていたりするようだ。更に本作でのボーカリストはこのファーストを限りに離脱しているし、その後もどんどんとメンバーが入れ替わっていくという流動的なメンツでのバンドになってしまったようだ。その意味では本作がオリジナルメンバーでの唯一作で、ここまでハードロックスタンスというアルバムはEloyの歴史長しと言えども他にはないようだ。だからどうした、って話だけど、勢いだけでここまで創り上げたか、ってくらいのプレイの濃密さは素晴らしい。ジャーマンハードの傑作。



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フレ
Posted byフレ

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