Nine Days Wonder - Only The Dancers

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Nine Days Wonder - Only The Dancers (1974)
ONLY THE DANCERS [Analog]

 クラウトロックがクラウトロックと呼ばれるのは俗に言うカテゴリでは区分出来ないからという概念に気づいてからは自分的に取り組みやすくなった。言われてみればどこぞの詳しい所で調べたりしていると、普通にクラウトロックとかジャーマン・ロックなんて分類されていて、随分不親切だよな、もっとちゃんと区分できるだろ、なんて思ってたものだ。今になってようやくその概念が判ってきて、そういう区分けしか出来ない事に気づいて納得。普通にロックという区分だってそういうのあるから、別に不思議も無い事か。

 Nine Days Wonderというマンハイムのバンドの1974年3枚目のアルバム「Only The Dancers」。マンハイム出身と言いつつもバンドのメンバーはあちこちの国からの人間が集まっているので、正確には多国籍バンドという事になる。だから、普通にクラウトロック的な妙な感覚だけでは成り立っていなくて、かなり洗練されたサウンドが繰り広げられているアルバムに仕上がっている。その分、散漫な印象を受けるのと、どこに向かって行きたいロックなんだろうか?なんて素朴な疑問も感じる作風。この頃のロックに求めるものはやはり勢いと実験精神みたいなひたむきな創造性だったりするので、ここで方向性が見えなくなると聴いている側も少々戸惑う。言い方変えれば洗練されて世界レベルに通じる作品を作り出したバンド、というのもあるか。

 同時期の英国ロックのポップよりの作品群に近い作風で、ELOみたいな楽曲が並ぶ。それはそれで良いのだが、ちょこっとハードになったり妙にコーラスチックになったり、効果音らしきものも入ってきたりと実験的、なのはあるもののどこかチャレンジャー的じゃないように聞こえてしまう。まぁ、ロックってのはそうやって廃れていったのだから、ここでそういうサウンドになっているのはある意味ロックの衰退を早く体感してしまったとも言えるか。どうにもイマイチ感漂うアルバムではある。ただし、このジャケットのセンスはさすがドイツ、とも言えるし、かなりユニークなセンスな気がする。



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フレ
Posted byフレ

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