Lucifer's Friend - Mind Exploding

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Lucifer's Friend - Mind Exploding (1976)
Mind Exploding

 日本で知られているドイツ系のバンドっていくつか思い当たるが、それほど普通には多くないし、ちょこっと入り込んでしまうとほとんど出てこない。70年代なんてのはスコピやカン周辺程度な気がする。その中でも、本日のお題となるLucifer's Friendってバンドはかなり知られている方じゃないだろうか。ともすれば英国のバンドというような捉え方をしている人もいるだろうとすら思う。それはもちろん英国人ジョン・ロートンの知名度と実力によるものが大きいハズで、一旦ユーライア・ヒープに参加してその歌声を世界に披露した事による。しかし歴史は面白い。そんな逸材が英国じゃなくてドイツから出てくるんだから。

 Lucifer's Friendの1976年リリースの5枚目のアルバム「Mind Exploding」はそのジョン・ロートンが脱退する前の最後の作品となったアルバム。もっともン十年して戻ってくるんだが、70年代を語るとすれば、これはジョン・ロートン最終作となる。ここまでルシファーズ・フレンドってバンドはアングラなハードロックバンド的な所から始まりどんどんと洗練されていって、ブラス・ロックにまで手を付けていったが、ここに来ると時代が1976年と言うのもあったのか、同時代のStarzやStrapps的なサウンドを持ち込んでいる。いや、音楽性の話じゃなくて、音そのものが洗練されているという意味合いです。サウンドそのものはキャッチーさとポップさを増したパワーロックサウンド、そして完全に垢抜けた音になってるから時代が変わったんだなぁと実感する。アルバムジャケットだって、これまでの妙にもっさりした感のとは異なり、今でも通じるくらいにデザインセンスのある作品で、好みは別として色々と意欲的だった時代と想像できる。

 時代の流れなのか、どうしても黒いファンク的な要素がそこかしこに入ってきて、音はキレイになって鍵盤だって先端のサウンドが入ってきてて、もうちょっとしたら多分ポップスターの仲間入りなんじゃないか、ってくらいの音もある。それでもパワーロック的側面がルシファーズ・フレンドというバンドのスタンスを強固なものにしてて、とてもドイツのバンドとは思えないほどに洗練された世界で普通に勝負できる作品、実際そうなっているバンドだからね。しかしジョン・ロートンの歌唱力はここでも全開で、素晴らしい。最後の曲なんてもう超絶最高の熱唱ですよ。これほどの逸材がこの辺りでウロウロってのは歴史は残酷だ。



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フレ
Posted byフレ

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