Frumpy - By the Way

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Frumpy - By the Way (1972)
By the Way

 英国ロックが好きだからだろうと思うが、英国的サウンドと他の国の音が入り交じるのは聞きやすい部分が増えてくる。面白いのはその人がどこの出身なのか、って方が大きくて、例えば英国的サウンドを狙ってます、ってんだとどこか異なるって話。その違いって面白くて、よく書いたことあるけど、どんだけ英国的な音を研究してどこかの国の人がそういうアルバムを作ったとしても、ホントに英国で育ったガキが普通に遊びで作った音と比べると後者の方が圧倒的に英国的だったりするんだよ。そのセンスと持ち前のものはもう文化的民族的な話に近いと思ってる。

 Frumpyの1972年リリース3枚目のアルバム「By the Way」は唐突にスワンピーでブルージーなサウンドから始まり、一体何処の国のバンドだ?と思うくらいに成り切っている。普通にこのアルバム聴いていると、英国のサウンドだよな…、でも、くらいに不思議に思う音が鳴っててユニーク。時期的なものもあるけど、正に英国のロック連中がスワンプやちょいと黒いのでカントリー的、レイドバック的なのもあって、そっちに目を向け始めた時期に、このアルバムでフランピーがドイツのバンドながらそっちに向いた曲を入れている。面白いのは、彼らの場合はアルバム丸ごとそうなる、って事にはならず、一曲だけそういうのをやってて、自分たちもそういうの出来るし興味あるし演ってるよ、って意思表示が出ているってトコ。他の曲は相変わらずのハードだったりプログレ的だったりと実験的に色々やっているしね。それでもアルバムリリースの度にバンドで出来るサウンドのイメージを変えてきてて、その探求の旅の精神は面白いと思う。

 流石にドイツのジャーマンハードの、クラウトロックの一流バンドと言われるだけあってサウンドが洗練されているのと楽曲もきちんと練られていて、世界にヒケを取らないレベル感がある。そのあたりがあって初めて世界的に音楽の比較が出来るものだから、いわゆるB級なサウンドとは一線を画している。そのB級サウンドはそれで楽しいが。それにしてもここまでこのバンドってギターで自己主張してたっけ?ってくらいにメロウにしっかりとソロワークでも目立ってツボにハマるギターを弾いててくれる。冒頭こそ意表を突かれるアルバムだが、全編通して聴いていると素晴らしきバリエーションとバンドの主張も聴けるメジャーなジャーマンロックバンドの作品、普通に聴いておくべき作品。





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フレ
Posted byフレ

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