Epitaph - Outside the Law

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Epitaph - Outside the Law (1974)
Outside the Law

 当たり前といえば当たり前だけどロックではお国柄によるサウンド、楽曲の違いってのは割と顕著に出てくる。聴いている側が慣れてくるとその辺の違いに気づいてくるし、その雰囲気の違いもまた面白い。近年のロックだとそこまで違いが明瞭でもなくて、パッと聴いてどこら辺の国かな、なんてのが分からなくなってきてるけど、昔のはかなり顕著。だからジャーマン・ロックなんていう定義があったりもする。一通り聴いてるとその違いが聴いてて自分的にどうなんだろ?って思うし。好みとはちょいと別の話だけどさ。

 Epitaphというドイツの1974年リリース3枚目のアルバム「Outside the Law」。このバンドはジャーマンハード系の中では結構人気のある方で、今でも活躍しているのか?ってくらいに活動歴が長くて実力のあるバンド。ユニークなのはクリフ・ジャクソンって英国人がボーカルとギターやってて、その他がドイツ人というメンバー構成だったので、単純にクラウトロックっていうモノにはなっていない。それこそWishbone Ash的なツインリード的なのもバンバン出てくるし、二人のギターをうまく使い分けてのサウンドもある。ここで二人がガツンってやるんじゃなくて、繊細に紡ぎ上げているギターの旋律という所が英国的。一方では硬質なギターの音色もするから、多分この辺が二人のギターの違いで、前者がクリフ、後者がクラウスのギターなのだろう。勝手な推測だけど。更にハードな曲ではどこかユーライア・ヒープ的なグルーブが展開されていったりもするが、もうちょっとストレートに進めている感じ。

 英国B級郡のマイナーハードロック路線とやってる事は同じなんだけど、それよりは洗練されてる。しかもドイツエッセンスがあるから独特の硬質感も当然強いし、そこにメロディアスで繊細なギタープレイが絡むし、歌メロもドイツ的じゃないし、ってのがあるから物凄く不思議な音。そんなの意識しないで聴けば良いんだが、どうも気になって…、いや、カッコ良いんだもん。ドイツでこういうカッコ良さを持ったアルバムに出会えるって思ってなかった方が大きいから、まだまだロックは深い。




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フレ
Posted byフレ

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