Jane - Here We Are

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Jane - Here We Are (1973)
Here We Are

 70年代に英国のロックが世界進出していった事で世界中でその模倣を行うバンドが出てきて、そりゃ日本でも同じだから世界中そうだったろうし、そこではカッコ良い、ってバンドの美味しいところを取り入れて自分たちもバンドやってみよう、みたいなきっかけでスタートしている若者が多かった事だろう。だから当然ながら表層に出ている音を自分たち基準で取り入れていくから元来ロックが持っていたブルースというルーツは切り離されている。それは今の時代でも同じことは言えて、ルーツなんてのはどっちでも良くて今聞けている音のカッコ良さを出すには、って事を目指す。そこがセンスで、何かに囚われないであちこちの音から吸収してミックスして吐き出してくるから面白い。ジャーマンハードってのはだからこそプログレもハードロックも全部一緒になって彼らが出してきた中のひとつのロックサウンドの姿。一発屋もいれば才能あった人ももちろん居たし、英国から遅れること数年で同じ様なシーンを形成していった。

 Janeはそんなジャーマンハードなバンドの中でもアルバムを多数リリースし続けていったバンドで、この頃からシーンの一角を形成していたバンドの中では珍しい部類に入る。そのJaneの1973年リリースの2枚目のアルバム「Here We Are」。単純にジャーマンハード、とは言い切れない様相で、プログレの要素は多分に入っている、メロトロンが好きなんだろうなぁ、オルガンハード的なものはあるが、メロトロンも大々的に取り入れて展開している。ただ、プログレ的な音色ではあるけど、リズムや曲そのものはロックのもので、変拍子バリバリでクラシック的にメロトロンが入るのではなく、仰々しいバックサウンドとしてメロトロンが鳴っていてのギターサウンドだったりするからあくまでも普通に使っているレベル、とは云える。普通にってにもよく分からないが…。

 硬質で攻撃的なジャーマンハードという路線ではなく、ソフトなスタイルで楽曲を練り上げて盛り上げていく曲が多く、どちらかと言えば情感的なサウンドでメロウな部分も持ち合わせている。ファーストからチョコチョコとメンツが変わっていて、ここでもギタリストがチェンジしているから前に出すぎてもいないのかもしれない。その意味では鍵盤主導なバンドではあるが、ちょうどよろしい比重でのアルバムになっているのでどこか物足りない部分はあるけど、ロックらしい音を出すバンド。

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フレ
Posted byフレ

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