Praying Mantis - Predator In Disguise

0 Comments
Praying Mantis - Predator In Disguise (1991)
PREDATOR IN DISGUISE(新価格盤)

 メタルってロックから生まれていったものなんだろうか?と不思議に思うことがある。答えとしてそれは違うよ、ってのもあるんだろうなと。ただ、系譜を辿っていけば当然ロックから生まれているワケで、そういう意味では確実にその路線からの派生でしかないハズ。ただ、あまりにも毛色が異なっていてロックというカテゴリと同じくらいにひとつのジャンルになってしまっているので、その出自をどうのって話じゃないのかも。一般的にはそんなの分からない事だから気にする人もいないだろうけど、その違いは大きくあって、今の形で見ればどこが同じ出自なんだ?ってなる。面白いものだ。

 Praying Mantisの1991年リリース、10年ぶりのセカンド・アルバム「Predator In Disguise」。元々のメンツは当然解体された後にバラバラになっていて、トロイ兄弟だけで頑張っていたところにデニス・ストラットンが参加して専任ボーカル不在のままアルバム作成に入ってのリリース。トロイ兄弟だけで頑張ってくれていれば、往年のPraying Mantis節が前回の名盤みたいになっただろうと思うのだが、デニス・ストラットンへの気遣いからか、またはネームバリューによる御礼からかアルバム内作曲権を結構渡してしまっていて、トロイ兄弟の曲が少なくなってしまった。それが故にアルバムの色合いとしてはデニス・ストラットン色が出てしまっていて、これがまたPraying Mantisに望むような作品じゃなかったからややこしい。曲としては別に悪くも無さそうなんだが、皆が求めるのは繊細で様式美で美しい旋律によるメロディアスなハードロックだったのが、ゴツゴツだったりキャッチーだったり垢抜けてなかったりと、実にロック的なスタンスの楽曲が多い。おかげでアルバムのトーンが無茶苦茶ってのもあるし、売り部分が全く出てこなくてバンドのカラーが本来のPraying Mantisほどに出てこないという…。

 セカンド・アルバムだったから、そういう実験をして、反応があって初めてPraying Mantisってバンドに皆が何を求めているのかってのを理解したかもしれん。本作の中でも素晴らしくマンティス節ってのがいくつかあって、それはもう極上の出来映えだからね。それでもデニス・ストラットン作の曲で本来の持ち味じゃないにしても、バンドでのプレイとなるとそりゃコーラスワークや美しいギタープレイなんてのもトロイ兄弟お得意の部分は出てくるからその意味ではさすが、と思う。この時点ではよくぞ再結成できた、そしてアルバム制作まで出来た、という満足度が高かったのだろう。ここから改めてバンドを再始動したというもので、名作を多々リリースしてくれる。こういうバンドはなかなか出てこないし、貴重な存在です。



関連記事
フレ
Posted byフレ

Comments 0

There are no comments yet.

Leave a reply