Whitesnake - Come an Get It

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Whitesnake - Come an Get It (1981)
Come an Get It

 一つのバンドが長い期間に渡って活動していくと、その間に音楽性の変化が伴っていくことで成功を手にするパターンも数多くある。それも大幅にサウンドを変更はしないけれど一皮剥けた的なものならともかく、そもそもバンドの方向性が大きく変わっていく事で成功を手にしているってのは、売れた時の印象がバンドのイメージになるものだ。ホワイトスネイクってバンドはそもそもがデヴィッド・カヴァデールのソロプロジェクトの名義、アルバムタイトルだったものだがいつしか実体化されていき、大成功を収めたバンド。最初期はブルース・ロックなんで、そういうカテゴライズにしたいし、自分的にも好きではあるんだけど、途中からはHR/HMのジャンルに入れられるスタイルになってしまい、今じゃ普通にその世界の帝王として君臨している事で、初期好きとしてはどうにも扱いと実際の音楽性のギャップに困ることが多い。

 Whitesnakeの1981年にリリースされた初期サウンドの発展形だった「Come an Get It」というアルバム。それでも既に5枚目くらいで、カヴァデールソロ時代から思えば7枚目くらいになるんで相当のベテラン粋、そりゃもうちょっとハジけたいって思って試行錯誤するわな…。それはともかく、この辺りの作品までのホワイトスネイクはまだブルージーなムードも持っているし、正しく大英帝国ハードロックの発展形として聴けるアルバム、この作品はその意味じゃ結構な完成型だと思う。湿り気もありながらキャッチーさも持ち、きっちりと作り込まれてもいるし、かなりの名盤。メンツも揃いまくってて、それこそパープル組のイアン・ペイスにジョン・ロード、ギタリスト陣はいぶし銀なミッキー・ムーディにバーニー・マースデン、そこにテクニシャン、ニール・マーレイだ。最高のメンツじゃないか。そして若くてやる気満々な獅子でもあったデヴィッド・カヴァデールが総指揮で独特のカスレ歌声での叫び、何ら悪いところのない素晴らしいアルバム。イメージ的には本人も狙っていたであろうBad Companyの発展形のようなスタイルを持つバンドに仕上がっている。

 自分的にはこのあたりのホワイトスネイクが一番好みだし、じっくりと向き合って追求したい時期だ。ちょいとキャッチーすぎる部分はあるけど、それでも70年代から脈々と受け継がれているブルース・ロックの発展形がきちんと聴けるし、ギターにしてもそういうフレーズがバンバン出てくる…、そりゃその時代にいた人たちだから当たり前だけど。ただ、時代は残酷ながらこういう音を既に求めてはいなかったのだろうとは思う。もっとヘヴィでハードな音を求めていたし、英国で言えばNWOBHMもその勢いを増していた頃だし、確実に新しい息吹が侵食してきて、そこに敏感なカヴァデールは新たな切り口で大成していったと。その辺はともかくとして、ちょっとね、また初期のホワイトスネイクってのを聞きたいな、って。どこかしっくりこない部分はあるんだけど、また聴いてみたら変わるだろうし、何よりもこの二人のギタープレイをもうちょっと味わいたい。



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フレ
Posted byフレ

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