Rainbow - Bent Out of Shape

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Rainbow - Bent Out of Shape (1983)
ストリート・オブ・ドリームス

 自身のやりたい音楽を実現させるにはどんどんとメンバーを入れ替えていって夢の実現を目指すのみ、というスタンスもあればバンドを組んだことでそのバンドの化学反応を楽しみながら進化させていく事でメンバーが不動のものになり、そのメンバー以外では出せないサウンドの極みまで行ってしまうというパターンもある。後者は精神論が大きいのかもしれないから、どこまで現実的なのかはあるが、でも実際70年代のバンドを聴いているとそういう風にしか聞こえない事も多いからあながち精神論だけでもないだろう。そこに縛られずに前者の音楽的取り組みを実施していったミュージシャンの中の一人にリッチー・ブラックモアがいる。

 Rainbowの1983年リリース作品「Bent Out of Shape」。ボーカルにはジョー・リン・ターナーを迎えていた時代、これにてレインボウは一旦停止してDeep Purpleの再編成へと動いたという頃のアルバムだけど、この作品、結構どころかかなり良作に仕上がっていてこのまま歴史に埋もれさせるには少々もったいないとも思うのだが、レインボウ信者の方々の反応はどうなのだろう?自分は中途半端にしかこのヘン聴いてないので、普通に悪くないアルバムじゃないか、って思ってるけど、思い入れがあるとそうは聴けないだろうね。メロウすぎるとかリッチーのスタイルにエッジが足りないとか妙にキャッチーだとか色々あるじゃない?参加メンバーにインパクトが足りないなんてのもあるかも。ベースのロジャー・グローバーくらいしか名の知られた人もいないし、残りは誰でも良かったんだろうし、としか映らないのは確かにある。

 ただ、入ってる曲はどれもこれも佳作で、見事に曲はブリティッシュハードロック路線です。歌が少々抜けてるのは当たり前としても、メロディもかなり良いし、起伏に富んでるし、何ら売れなかった理由はない。単純に時代が求めていたサウンドとの大きなギャップがあったという点に尽きるか。NWOBHMの波には到底追いつかないパワー不足、80年代を迎えていた時代のキラキラ感にも届かず、ロック的な所ではどうにも中途半端な70年代を引き摺ったままのバンド、という立ち位置しか無かったか。そのヘン、難しい時代でもあったのは確か。それでも今聞けば悪くない作品。





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フレ
Posted byフレ

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おーぐろ  

各曲のクォリティとかはリッチー節とかが少いせいもあって
フックの無い曲ばかりになっちゃってるんですよねぇ
それでも全てが平均点以上だとは思いますけど・・・
チャック・バーギのタイトでメリハリの少ないドラムにも原因があるのかなぁ
しかし、全体としてのまとまりというトコだけを見れば最高のアルバムですね
けど、やっぱ「美味いんだけど一味足りない料理」みたいな(笑 

2019/06/10 (Mon) 21:23 | EDIT | REPLY |   
フレ
フレ  
>おーぐろさん

リスナーはワガママですからねぇ…。

2019/06/16 (Sun) 22:00 | EDIT | REPLY |   

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