Enforcer - Zenith

Enforcer - Zenith (2019)


　すっかりとMacでロックを聞くのが常になっていて、あまり気にしないで片っ端から聴いてるけど、やっぱり圧縮音源の音ってのはアカンのだなぁとふと気づく時もある。ちゃんとした音源ってかアルバムってCD入手するかFlac音源かのいずれかで、これがFlac音源だったりすると当たり前だけど音が詰まってて低音も高音もどこもかしこも情報量の多い音が鳴ってくれる。だから良い音で聴けるのをマジマジと実感して、さらにそういう音源聴いてるから名盤、素晴らしい、ってなる。それがYouTubeや320kbpsレベルのMP3音源だと、あぁ、随分と軽くなるもんだなぁ…と実感する。んで、先日はその後にSpotify無料版で聴いてみたら、これがまた192kbpsだからもうスカスカモコモコって感じに聞こえてしまって、楽しめるべきアルバムもイマイチノリ切れなくってやっぱり良いヘッドフォンで聴くなら良い音の聴くべきだわ、って。

　Enforcerの5枚目となる2019年リリースの作品「Zenith」。スウェーデン出身ながらもNWOTHMの旗手として期待されて出てきてて、もう5枚目だしどこまで進化してったかな、なんて楽しみに聴いてみると…冒頭から何かオカシイ。オカシイって言うか、期待していたあのスピードメタル的なメイデン調の勢いのあるサウンドじゃなくて妙〜にポップで軽やか…、まさか80年代好きだからってデフレパとかボンジョビとかの路線に行ってしまったとか言う？そりゃ無いだろうよ…なんて聴いていたら、どうにもバリエーション豊かな楽曲が色々と詰め込まれているアルバムを作ったようだ。これまでのようなパワフルでスピーディな叩きつけるようなメタルサウンドもいくつか入っているし、一方では何だろうな、コレ、ってな曲もいくつもあったりするのが戸惑う。

　流石に一辺倒なサウンドだけではバンドの未来は無いと考えたのか、これまでのある種Enforcerぶりを切り離してまでこういうカラフルな路線を選んだってのはこれからも期待したいバンド、とも思えるが、その世界へ行くとなかなか個性が出し切れなくてどうなるんだろうか、と。既に5枚もアルバム出してるんだから中堅バンドとしてはそういう方向性も当たり前か。そんな事を思いつつも聴いているとどうにもキャッチーなサウンドが続く…、ん〜とは思うけど曲の出来映えは結構良いんで、安直にこりゃダメってんでもない所が悩ましい。かと言ってスルメアルバムって気もしないし…、何度か挑戦してみるか。

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