Roy Buchanan - Dancing on the Edge

0 Comments
Roy Buchanan - Dancing on the Edge (1986)
Dancing on the Edge

 時代とレーベルによって同じ人がアルバムを作ってもその作風やスタイルってのが結構変わってくる。それはやはりミュージシャンもひとつの商品でもあり、きちんと売っていかないといけないという側面があるからレーベルの方向性や要望なんかはきちんと応えれるレベルにある事が前提での契約だろうからだ。やっぱり誰かにカネもらう仕組みの中にいるのであれば、それは断れない事だろうし、じゃなきゃ辞めろって話だから売れないと特に辛い。売れちゃえばそのカネで好きにやれる、自分の意見のほうが売れるんだから良いじゃないか、みたいな部分も出てくるのだろうけど、百戦錬磨のレーベルの意向はその意味では素人のミュージシャンとの比にならないだろう。

 アリゲーターレーベルに移籍してからの第二弾アルバムとなった「Dancing on the Edge」は1986年リリースで、前作「When a Guitar Plays the Blues」がとってもカッコ良くロック色もたっぷり付きながらもブルース色が出ていて、正にロイ・ブキャナンっていうギタリストを印象付けた作品だったからか、今作はより一層その路線を強めていて、正直にこれはもうロックです。ただ、それだけでなく、ここまで来ると完全にジェフ・ベックと双璧を成すかのようなギタープレイを味わえるという代物。昔からジェフ・ベックもロイ・ブキャナンには敬意を評していた事は知られているが、ジェフ・ベックのテクノ作品群を聴いて、ロイ・ブキャナンのこの作品を聴くと、どんだけこの人が変態的なギタープレイをしているかが分かるだろう。普通に聴くと、ちょいとギャラギャラした派手な音色のテレキャスでのギタープレイ、ってだけなんだろうけど、その実とんでもなくエキサイティングでアグレッシブなプレイをこれでもかとばかりに披露している。何を言ってるんだろ?って気になる人、是非チェックですよ、これ。

 初っ端からこのギターの派手なこと。そしてこの音色だ。こんなおとなしそうな顔した神父さんがこんだけギャラギャラな音出して弾きまくり、さらにピッキングハーモニクスも交えて迫ってくるという姿、凄いカッコ良いです。静かめなブルース曲にしたって、普通のブルーススケールなんかではなく、独特のフレージングを使い倒して音を繋いでいく、さらにそこでも宇宙へと連れて行ってくれるサウンドが展開されていくという…もうね、ホント、凄いです。アリゲーターになるまではここまでギャラギャラじゃなかった気がするけど、これこそアリゲーターの音。それにしても何でアルバムジャケットはレスポールなんだろ?どっからどう聴いてもレスポールサウンドじゃなく、テレキャスな音がアルバム中を踊っているのにな。





関連記事
フレ
Posted byフレ

Comments 0

There are no comments yet.

Leave a reply