Otis Span - Biggest Thing Since Colossus

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Otis Span - Biggest Thing Since Colossus (1969)
Biggest Thing Since Colossus (Sony)

 黒人のブルースメンからしてみたらホントに英国の小僧たちのブルース熱の入れ具合は頭から笑って見ていたとは思うけど、その真摯な姿勢は一緒にセッションしたりすればするほどに心を打っただろうし、それよりもその小僧達のおかげでカネが入ってくる事実も大きかっただろう。そんな穿った見方しなくても普通に自分たちがやってる音楽がそんな所でウケでくれて、感謝してくれるなんてよく分からないけどありがたいお話だ、って所かな。だからこそ今度はロックへ恩返ししてくれるのもあったようで、何かのインタビューでそういうの読んだけど、そりゃ黒人側からしたらそうなるか、って。

 Otis Spanって人はMuddy Watersと一緒にピアノをいつも弾いていた人。もちろん他のブルースメンとも一緒にセッションをいくつもしていて、ピアノブルースメンとしては知られた存在。自身のアルバム「Biggest Thing Since Colossus」を作る際に、ちょうど先日セッションしたばかりの英国のフリートウッド・マックの面々も面白そうだ、って思ったのか、ここで一緒にセッションしている。ってかバックメンバーの3名をフリートウッド・マックから採用している。ピーター・グリーン、ダニー・カーワン、ジョン・マクヴィーで、ドラムはオーティス・スパンの所のドラマーになったけど、これが見事に全体的にはフリートウッド・マックの音に近い。でも、ドラムが違うとこれだけグルーブが変わるのかとも思うし、更にピーター・グリーンのこのギタープレイは流石。クラプトンの無難なスタイルとは違って攻めてくる。それがオーティス・スパンも気に入ったのかもしれないが、実にロック的解釈のあるブルース。

 ここまで来るとどっちの何を聴いてるか分からない、ってくらいにフリートウッド・マック色が出てるけど、そこはやっぱりオーティス・スパン、ピアノのインパクトは絶大で歌とピアノで独り占めだから当然ソロアルバムなワケ。しかしこんな見事にグルーブしたブルースを聴けるとはね、もっとフリートウッド・マックのカタログでこういうのは紹介しておくべきだし、オーティス・スパンのカタログでも語られるべき作品。幸いなことにあちこちで手に入れられる状況ってのは嬉しい。さらっと廃盤になってたりしちゃうからね、こういうのって。ブルースにハマっても聴くものがなかなか広がらない、って人はこういうの探していくとまだまだ広がるんじゃないか。




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フレ
Posted byフレ

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