Trapeze - Trapeze

0 Comments
Trapeze - Trapeze (1976)
Trapeze

 70年代も半ばに近くなってくるとハードロックも割と普通になり、当然うるさい音楽として嫌われる要素もあったのだろうけど多くの若者を惹き付ける魅力的なサウンドとファッション、そして正にロックヒーローらしい現実離れしたスターとして君臨していた黄金時代でもあろう。その姿を目指して数多くのバンドがシーンに登場することにもなるし、これまで地道にやってきたバンドでも花開かせるために色々と攻め方を変えてシーンに君臨してきた。もちろん一発当てただけ、ってなバンドも多々…、一番面白い時期だよ、やっぱり。

 ご存知グレン・ヒューズが在籍していて徐々にバンドも上昇気流に乗って着々と実力を示しながらシーンの中核を占めていったTrapezeだが、前作リリース後にグレン・ヒューズはDeep Purpleへの参加を決め、バンドを離れる。ベーシストが一人離れるくらいの事で、またソウルフルなボーカルが去るくらいの事でバンドの音も変わるまい、って思うなかれ、ハードロックとソウル、ファンク的なサウンドを絶妙なバランスで融合させていた張本人だったから、不在になるとそこは思い切り変わってってしまったのが1976年リリースの5枚目のアルバム「Trapeze」だ。これまでとはちょいと違う路線でのアルバムジャケット、そして再出発を兼ねてのアルバムタイトル。そして一発目から聴いてみれば見事にハードロック路線に戻ってる、と言うかソウルフルなファンクリズムは抑えられてて、もっとロックに軸足が置かれたサウンドに仕上がっている。そりゃもちろんメル・ギャレーだからギター的にはカッコ良く弾かれているし、十分にハードロックバンドTrapezeとしてのレベルは保たれてるし、それどころかこっちの方が好みってのもある。

 面白いのは2曲でグレン・ヒューズが歌ったり参加したりしている所で、レコーディング途中でバンドを離れたワケじゃないだろうから、ちょっと手伝ってくれよ、ってな事でのゲスト参加だったのだろうか、バンドを離れてもこういう友好的な離れ方で、またヘルプしながらの関係を継続させていくってのはなかなか良い。その結果、数年後にDeep Purpleが解体した時はまたこのオリジナルな面々が集まってTrapezeを再結成してライブやったりしてたんだから。どうしてもグレン・ヒューズにスポットが当たりがちだけど、しっかりと大英帝国ハードロックバンドの一旦としてのメル・ギャレーのギターサウンド、ハードロックサウンドも堂々と記されている、そんな作品。





関連記事
フレ
Posted byフレ

Comments 0

There are no comments yet.

Leave a reply