The Marmalade - Songs

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The Marmalade - Songs (1971)
Songs - EX

 季節柄引っ越しや独り立ちの話なんかも聞くことがあって、その業界は大賑わいだろうし、かなり立て込んでいて到着まで数日以上かかるとか色々と人手不足もあって大変なようだ。自分的にもまたどこか遠くに住みたいものだなぁとも思うけど、当面それも無いだろう。そんな話をしていて思ったのは、自分もそうだけど一人で家を出て住む、そしてそのまま居着いてしまうってことで、その時に家にもう戻らないとは思わなかったもんな。居場所が無くなるなんてリスクを考えなかったし、前しか見てなかったなと。そういうモンだけど、それが別に大したことでも無かったけど、人からそういう話を聞くと、親的には随分寂しい感じを受けるもののようで、そういうモンかもな、と。改めて自分の時代をを思い出した次第。

 ジェネシスがカリスマレーベルの主であったのは事実だけど実はデビュー作はデッカからリリースされていて、消沈したってのはあまり知られていないか。もっともジェネシスのファーストアルバムなんてほとんど着目されないし、無かったことになっているくらいのモノだからさほど気にする事もないだろうが。そうか、ってことでデッカを何となく眺めていると、豪勢なレーベルだな…なんて見えてくる。その中からちょいと古臭いけどメロウでおしゃれで素敵なサウンドが当時大流行していたバンドを発見…って知ってる時代じゃないけどさ。

 The Marmaladeの1971年リリースの「Songs」。60年代のビートバンドとして一世を風靡していたらしいけど、自分的にそのヘンはさほど差が見分けられないんで苦手な部類。ただ70年代に入るとバンドって個性的な道を進んでいくので、このマーマレードも同じく、独自路線へ…って不思議な名作がこのアルバム。冒頭はハードにロックしていて、スゲェ格好良いし、ビートバンドからこっちに来たか、そりゃ良いぞ、なんてフックを聞かせてくれる。しかしこのバンドのこのアルバムの本領はこのハードな曲ではなく、やっぱりフォーク混じりのキャッチーでメロウなポップ的サウンド、フックをハードで掴んだ後は独特のメロウなスタイルの楽曲が立ち並び、この妙なサウンドに引き込まれていく。何だろうね、このノスタルジックながらも妙に心地良いメロディー。あまりにも普通に普通なロックと言うかポップスというかある種どこでもありそうだけど、どこにも見当たらないキャッチーなサウンド。最初のハードなギターはどこへ?ってくらいにフォーク調に仕上がっている。このフワフワ感は正に独特の色合いで名盤扱いされると思う。英国でしか出てこないサウンドでその手のリスナーは確実に虜にされる素晴らしき作品。

 そんな浮遊する霧の中を彷徨うメロディアスなフォークサウンドが続きながらもメロウなギターソロが鳴り響いてきたり、またハードに歪んだギターで聴かせてくれるサウンドも混在して来たりと、正に時代を駆け抜けていく様をそのまま反映しているかのようなサウンドも飛び出してきて侮れない、どころかかなり格好良いアルバム。




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フレ
Posted byフレ

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