Brand X - Moroccan Roll

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Brand X - Moroccan Roll (1977)
Moroccan Roll

 冬から春への季節の移り変わりを味わう、日本的には色々とイベントごとの多い時期、なんとなく区切りの良い時期、自分なりに新たな気持で何かに取り組む時期、という感覚がある。昔から4月から新年度っていう文化故なのだが、そういうのも良いな、ウチのブログ的にも纏め上げたり隙間埋めたりしないといつまでもライブラリ感想文が完成しないことになってしまうし、そもそもそういう目的で書いてきたワケじゃないけど、やっぱり読み返したりしてるとここヌケてるなぁとかタイプミス多いなぁとかあって、修正したくなるし追加もしたくなる。そうこうしているウチに多種多様なアイテムがリリースされてしまってて、これもまた困ったモンだ、どういう扱いにするかなぁなんてのも考える。キリがない…から続いているのも事実。

 Brand Xの1977年リリースのセカンド・アルバム「Moroccan Roll」。フュージョン系とかジャズプログレとか色々扱いに困るバンドではあるようだけど、確かに不思議なサウンド。フュージョンって言うとアメリカの軽快でテクニカルなものを思い浮かべるけど、ここで聴けるのは当然英国人ばかりのバンドなのでそんな軽々しいハズもなく、もっと鬱な感触を持っているのは当然で、それでいて技巧派が集まっているからアメリカのフュージョンに引けを取るはずもないレベル感でのプレイ。このアルバムではエスニック色と言うか民族的というかそういうムードをテーマにしているのもあるのか、また新たなエッセンスが加わっていて独特の宇宙観を聞かせてくれている。言わずもがなのメンバーは当然フィル・コリンズ。このバンドのドラミングがあるからこそ彼を単なるポップスターとは思わないし、きちんとした、どころか恐ろしくもテクニカルなドラマーとして認識される部分は大きい。ホントに音楽的才能に溢れた人、もしくは努力な人なんだろうと。

 そしてパーシー・ジョーンズのフレットレスベースの特有の音が更に雰囲気を作っているし、鍵盤もギターも同じく。グッドソールのギターに至ってはあまりにも多様な音色を使い分けているし、シタールなんかも出てくる始末。本作からはモーリス・パートってパーカッショニストも参加してて、この人もSun Traderってクールなジャズ・ロックバンド出身な人だからここにはぴったり。そんなプロフェッショナルな集団によるアルバムで、通常その手のは曲がイマイチなのだが、このバンドはさすがにクリエイターも揃っていて曲の出来映えも見事。ありかそれ?ってのまで含めて斬新だ。それにしてもパーシー・ジョーンズ、無茶苦茶スゲェ。

 ちなみにカリスマレーベルからのリリースでジャケットは当然ヒプノシス。単純だけどカッコよさがにじみ出てくるアートワークはさすがな作品で、おそらくヒプノシス作品の上位に入ってくるんじゃないだろうか。不思議なセンスです。



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フレ
Posted byフレ

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