Genesis - Wind & Wuthering

0 Comments
Genesis - Wind & Wuthering (1976)
Wind & Wuthering

 昔は英国とアメリカのロック、そして日本のモノ程度で、多少他の国のバンドがいくつかあったりする程度だったので、それくらいの識別で良かったのが90年代頃から正に多種多様に世界各国の音楽が普及するようになって、それに伴ってどんどんと辺境の国々のバンド、ヨーロッパなんかも含めて色々ライブラリに増えてきた。ユーロロック、なんて呼ばれていた時代もあったけど、そんなレベルを遥かに凌駕する今のバンド郡の数々。その分発掘されてきて楽しみも増えているのは事実だけど、ちょいとカテゴライズには大変だった。狭い枠内でどうやろうかなぁ、って。漢字一文字で国を示すとか英語3文字程度にして表記するか素直に日本語で書くか…、結局自分が見やすい表記にしてるからレイアウトとか無視ですね、一旦。そのうち英語略称表記でも良いかとは思ってるけど、NEDとかESPとかピンと来ないでしょ?

 カリスマレーベルの雄と言えば当然Genesis、これだけでレーベルが存続していたと言っても過言では無いくらいの看板バンド、もちろん英国プログレッシブ・ロックの歴史では外せないバンドであるのと同時にフォロワーの多さもまた群を抜く。更にフィル・コリンズという稀代のポップスターすら産み落としたバンドで、80年代のジェネシスなんてのはもう信じられないポップバンド、とも言えるのかもしれないが、それも時代だ。今回はそのちょいと手前、1976年にリリースされた「Wind & Wuthering」、ご存知スティーブ・ハケット在籍一旦最後の作品として知られている。そしてピーガブ時代からフィル・コリンズ時代になっての2枚目のアルバムで、これまでのジェネシスサウンドを継承しながらも大いにポップ路線に寄ってきているという不思議な作品、でもポンプロックを聴いていればこういうのはなるほど、そのままじゃないか、となるのは一目瞭然なのだが、これを先に聴いていた方々はこの変化をどう感じていたのだろうか。

 歌メロは軽やかにポップに流れるような旋律で、曲調は目まぐるしく変化している中でお得意の叙情性とドラマティックな起伏、起承転結を持ち込んだまま軽快に流していく、正にジェネシスとも言える作風が立ち並ぶ。ピーガブ時代とは大きく異なるこの明るさ軽やかさは明らかにフィル・コリンズの影響によるところが大きいだろう。さて、自分的にはジェネシスが苦手なバンドだったし、フィル・コリンズのソロアルバム時代も好きじゃないけど、不思議なことにジェネシスのフィル・コリンズ時代ってのは結構好きだったりする。それもこのアルバムくらいで終わるんだけどさ。

 しかしこのアルバムで一番不思議なのはジャケットデザインがヒプノシスってことだ。これ、ホントにヒプノシス?それらしい部分って表ジャケットでは見られない。そして見開きの裏ジャケット見ると鳥が舞ってて、その群れが表ジャケの葉っぱにつながってるけど、それもイマイチだし、なんでこれがヒプノシス?どこが?って気がするのだが…、有名な作品だけどヒプノシス的には最もヒプノシスとわかりにくい作品。



関連記事
フレ
Posted byフレ

Comments 0

There are no comments yet.

Leave a reply