Graham Bell - Graham Bell

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Graham Bell - Graham Bell (1972)
グレアム・ベル

 70年代初頭を過ぎると英国でギターヒーローが生まれることになった発端でもあるブルース、ブルース・ロックというものが瞬時にして廃れた、と言うかそれだけじゃ何も物珍しいものでもなく、逆にやるなら3大ギタリスト以上に目立たなきゃ意味がない、ってのもあったのか、ブルース系のロックは淘汰されてってしまったようだ。もちろんバンドの中にそれを取り込んでいった所もあるけど、単純にブルース色が強いバンドってのはほぼ見当たらない。皆が皆それぞれの新しい路線を模索して進んでいるのは時代のアルバムを聴いているとよく分かる。それなのにブルース・ロックやって今更シーンに出てくるか、ってのもあるから面白いんだけどさ。

 Graham Bellが1972年にリリースした初のソロアルバム「Graham Bell」では思い切りブルース・ロックが展開されていて、どんだけ時代錯誤なんだ?って印象すら覚えるものの、この手のは大好物なのでじっくりと聴いてしまうのだな。昔はこの手のって何でも聴いてたし、今でもあれば聴いちゃうし、どれ聴いてもさほど変わんないんだけどさ、好きなんだよ(笑)。んで、このグラハム・ベル?グレアム・ベル?ってBell+Arcの人だし、その前はSkip Biffertyの人なワケで、キャリアは60年代半ばからずっとある人だから、ブルースシンガーとしてやってきた人ではある。だから故、70年代初頭のソロアルバムでもそのままブルース・ロックを展開するワケよ。んでも、ブルース声そのものは出してるけど、ギターはああいうブルースギターが出てこない。それがあるともっと古臭くて良かったんだが、自身でギターも弾いているので、そこはソロプレイヤーとしては弾いてない。サックスとかにお任せしている感じで、単にブルース・ロックを奏でるのでもなく、ちゃんとファンク的だったり色々と考えての音が詰め込まれているようだ。

 それよりもこんだけのキャリアのある人って事からか、参加しているメンツがさ、ドラムにイアン・ウォーラス、サックスにはメル・コリンズと元々スタジオセッションミュージシャン系ながらもキング・クリムゾンに参加した事で一気にメジャー化した人たちがクリムゾン後、前のタイミングだったのか参加してて面白い。もちろん音楽的にクリムゾン全く関係ないけど、こういうの好きだったんだろうか。時にクリムゾンでブルースな展開になることがあったのも鑑みるとそうなのかも。まぁ、あの時代をリアルで通ってきた人がこの手のを好きじゃないハズもないか。ってなことでカリスマレーベルとの関係が割と深かったのか、こんな作品もリリースしているGraham Bell、スワンプ的でもあるけどブルース・ロック的、でもある微妙なアルバム。


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フレ
Posted byフレ

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