Ron Wood - Now Look

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Ron Wood - Now Look (1975)
ナウ・ルック(紙ジャケット)

 70年代の10年という単位と今どきの10年という単位では大きく異なる。特にロックの世界に於いてはもう70年代の10年の違いなんてのは天と地ほどの差があったワケだしね。ともすれば数年の違いだって時代を左右するものだったんだし。だからその意味では音楽の革新スピードは昔の方が早かった。そりゃ皆が皆アイディアをどんどんと出せて試せて、何が当たるか分からなかった時代だったし、とにかくロックの世界が若者しかいなかったからエネルギーが充満していたのが一番大きいだろう。今と大きく異なるのはそこだよね。ロックが成熟しているって時代と違うもん。

 Ron Woodの1975年リリースの2枚目のソロアルバム「Now Look」。この頃一応フェイセス在籍ながらもストーンズのツアーに参加したりしていた頃か。そしてボビー・ウォーマックとの出会いからロックとR&Bの融合を見事に果たした作品として実はかなりの完成度の高さを誇る作品。ただ、ロックギタリストのソロアルバムという枠組みから外れる事なく、如何にもというセッション作風味が強い。そして歌がやっぱりね、バンドのボーカリストのそれとは大きく違うんだよ。上手いとか下手とか味があるとか無いとかそういうんじゃなくって、ボーカリストじゃないの。それも含めてロックギタリストのソロアルバムというものはこういうもんだ、って雰囲気たっぷり。

 メンツはすごいよ。ストーンズからキース、ミック・テイラー、イアン・マクレガン、それからウィーリー・ウィークスとアンディ・ニューマックのリズム隊、更にケニー・ジョーンズに加えてのボビー・ウォーマックだからさ。それだけでそりゃある程度売れるでしょ。んで、好きだって人も出てくるのも当然だし。ただ緊張感もないしバンド感もないからやっぱりセッションアルバムという雰囲気でしか聞けない。曲も良いし、確かにロックとR&Bの見事な融合というのもあるけど。ジャズだとこんだけのセッションなんかはすごいの出てくるんだろうけどロックの場合はそうはならないんだな…。



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フレ
Posted byフレ

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